当店ボディ磨き・コーティング施工車両です
2018年時に新車時レクサス・ディラーコーティングから5年経過後に当店で新たにボディ磨き、ボディコーティングを施工致しました。
当時の御注文時にピッチタールが多く目立つので除去、スケール染みの除去を重点に下地処理を行いました。
今回は洗車時にお客様本人がトラブルがあり御相談と御来店されました。
また、追加記事内容としてお客様から面白い話を伺いました。記事最後に余談として書いております。
塗装やコーティングに影響がありました
鳥糞の放置による染みが残る症状があり、落とせないか?という御相談でした。
お客様によると前回洗車時から約一週間くらい経過で本日再洗車をしたそうです。その約一週間程度中に鳥糞を落とされ付着したままだったそうです。大方は洗車で取れたそうですが黄色く染みが残り何をやっても取れないという御相談。
電話の話では状況が悪そうな感じだったので、直ぐに見てみる事になりました。
カメラの性能が限界でした、浸食と判断をしたのは染みの部分のみ塗装が縮む様な現象になっています(表現が難しいのですが)、その他の例えで塗装が侵されて、よれて、浮きも目視で確認出来ました(これは内部から来てますという現象)
対応としては状況や塗膜への浸透度によりなのですが、溶剤、研磨、加熱、他となります。「加熱」と聞いて?と思うかもしれませんが、浸透段階時のレベルにもよるものなのですが有効な手段となります。これらの理論は糞の成分中の酸、有機酸や水分を加熱し塗装中から蒸発させる事で塗面のダメージを復活できる場合もあるという事です。今回の場合目に見える黄色いシミも抜ける可能性が無くはないのです。加熱の方法は数通りあるのですがここでは割愛します。
原因や対策について
糞の成分が塗膜を膨張させ塗装を侵してしまうのです。
どの様に侵してしまうのかというと、成分有機酸が紫外線や温度変化、水分で反応して塗装にダメージを与えます。
簡単にイメージが伝わる様な書き方をしますが、化学分野で出てくる「架橋」という言葉がありますね。物や製品を作る時に成分などを物理的、化学的に変化や反応をさせる事で強度や成型をさせたりします。コーティングなどもある成分に大気中の酸素で反応させたり、ポリマー同士を繋げたりさせ強度や排水性能を変えたり・・・塗装の架橋性というのは塗装後の乾燥や化学変化で硬化していくのが架橋と聞いています。要は車両の塗装の硬度をいとも簡単にダメージを与えてしまう程、鳥糞の成分は強力、又進行スピードが速いという事です。
※化学分野を専門としている者ではありませんので、多少見解や理論の間違いがあるのかもしれません。あくまでも判り易いイメージで自分の言葉で書いていますのでご了承ください。
因みに車両の塗装も硬度の尺度もあります。意外とガチガチの硬度を誇るものではありません(硬度の数値やレベルはココでは割愛)
易しく言うと車は鉄の塊で(アルミや他の材料もあるが)硬いのに、走行中は実際には僅かに撓みや歪みが生じます。という事はそれに追従するように塗装も撓みや歪みが生じるという事です。当店扱いのあるコーティングにもその現象に対応を考えた硬度や性質を持たせた物もある位です。単に硬度だけで考えた場合に塗装はデリケートと考えても良いのではないでしょうか?(あくまでも私自身の考えや捉え方ですが)
塗装の硬度やコーティングの硬度を単純に上げる事は理論上簡単と聞いております。ただ簡単に硬度だけあれば前述の様な現象時について行けず破損・割れてしまいます。
コーティングは万能ではありません
コーティング屋さんがあまりマイナスイメージになる様な事は書いてしまうと商売になりませんが(汗)
今回の車両は当然しっかりした商品(ボディコーティング)を施工してあります。コーティングは完璧、鉄壁、万能ではありません。塗装保護の補助、お手入れ時のし易さなどに特性を持たせたものです。コーティングをしたからそこで終わりの安心ではなく、必要最低限のお手入れをして頂くものになります。
日常のお手入れ時の「洗車」から、今回の鳥糞被害を始めとする外的要因が考えられるものは降雨による雨染み、酸性雨、水道等によるカルシウム成分。ブレーキ、鉄道や道路からの鉄粉。地域的にもよるが黄砂。虫の死骸付着や花粉、木の樹液など沢山あり過ぎます。
今回の原因で糞の成分が塗膜を膨張させ・・・と記しましたが成分の有機酸のダメージ進行はものすごく速いものです。コーティング云々より対応が必要です。酸というのは放置や短時間でガラスは溶かし、反対に除去や剤などの強力な物に利用される場合もあります。
では、コーティングって大した事ないと受け止めたりしないで下さい。上手にコーティングとお付き合いが出来れば、ある程度の防御性はあるのは勿論、また一度磨いたボディの艶も何年も損なう事はないので宜しくお願い致します。
対策は?
どの様な外的要因でも付着や症状が見られたら早急に対処をお願い致します。塗装やコーティングにダメージを与える大小、進行スピードには違いはあれ、対応が遅いと取り返しのつかない状況となります。
「鳥糞」による被害、「見つけたら早く」という言葉を耳にします。早くとは「本当に早く」「素早く」「直ちに」「一分一秒でも」などは大げさではありません。一説によると数時間で酸化が始まるという情報もあります。
何はともあれ見つけたら除去して下さい。洗車等で洗い流すのが理想ですが、見つけたその場で拭き取ってしまう等の処置も有効です(塗装に傷が付かないよう注意は必要)。
塗装へのダメージが深刻な場合は、その部分を研磨・塗装へという最悪な結果になってしまう事も十分考えられます。
ガソリンスタンドで洗車時の出来事
お客様から伺ったお話しです。
いつもご自身で洗車しているらしいのですが出がけに立ち寄ったガソリンスタンド(以下GS)で手洗い洗車を依頼したそうです。
洗車中に待っているとGSの兄ちゃんが駆けて来たそうです。
「水が弾いていないですけど?」
「コーティング掛けていないのですか?」
と言ったそうです。
お客様は「この前掛けたばっかりがけど・・・」と言われたそうです。
お客様の車両は【親水タイプ】を施してあります。当然の事ながら下地研磨を施し、細部も汚れを除去し数日間(この時は約一週間)を費やしました。GSコーティングらしきものの「簡単塗るだけタイプ」とは比較の対象にありません。
厳密に言うと親水だからコーティングを掛けていない様には見えません。派手さはありませんが親水の排水性には独特のものがあり、本来の理想の親水は低接触角の「ドが付くほどの親水」なのです。
- 兄ちゃんは「素人にドが付くほど」だったのでしょか?
- コーティングは撥水!・・・しかないという無知なのでしょうか?
- それともGSの撥水剤を勧めたかった、売りたかったのでしょうか?(これはチャンスとばかりに)
因みにコーティングを掛けていないから弾かない事はありません。
何もかけていなくても塗装は水を弾きます。大気中の汚れやその他要因により油膜や油分は付きますので少なからず水を弾いてしまいます。例えば私たちの仕事でコーティングやヘッドライト塗装では脱脂を行うと水を弾かなくなります。
お話をしている最中にお客様も呆れている感じでした(笑)
そして、当店の他のお客様からも同様のお話しを耳にする事もあるのですよね。
ご自身で正しく洗車やお手入れをしているのであれば問題は無いのですが、例えば整備点検、オイル交換などでディーラーなどへ預ける場合も注意が必要です。変なサービス精神や決まった事しか出来ない性質から洗車機に入れられたり、精神旺盛から撥水剤を掛けらえたり、木綿のタオルで拭き取りされたりという事もあるのです。怪しい場合や心配な時は洗車等は事前に断りを申し出る事も自衛の策かもしれませんね。