茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

他で断られて当店へ スカイラインセダンHV研磨編

 日産スカイラインV37(経年車)のボディ磨き、コーティングとなります(塗色はKH3)
 茨城県内で複数店展開するタイヤショップ様からの御依頼。車両オーナー様はタイヤショップを利用されているお客様です。
 タイヤショップ様でも板金工場など複数に問い合わせ、何処もやりたがらないそうで当店へお問い合わせを頂きました。

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日産スカイライン

 

 

断られた理由

塗装種の違いと難易度

 簡単に言うと塗装種が自己修復塗装「スクラッチシールド」だからです。「スクラッチシールド」とはどの様な物かは他のサイトや日産自動車などで情報があるかと思いますので参考に。

 ただ勘違いされれている方がいらっしゃいますので少々、、、

 ◉正しくはクリヤ塗装にこの塗料が使われています。
 ◉クリヤに樹脂が配合されています←
超簡単説明(笑)
 ◉効能は浅い傷であれば復元
超簡単説明(笑)

 良く間違っている方は「かかっている、かけてある」と言われますが、表現は間違いではありませんが、特別に更に上から塗られている訳ではありません。塗装の種類ですから勘違いをされない様お願い致します。

 当店では施工依頼や御相談があった場合、車種、年式、型式、カラーNo等で塗装種の情報の確認を出来ます。御来店現車確認時はCプレートで再確認を行います。(新車塗膜に限る。補修塗装を除く)

 とは言っても最近は自己修復系は多くなっていますので、経年車両の方が要確認ですね。

 まあ、何であれいつもの中途半端なネット情報だけで頭でっかちはご遠慮ください。

業販施工と一般施工

 前振りはこの辺にしまして、今回の車両は当店では仲介、業販施工となります。いわゆるお客様にダイレクトに施工販売ではありません。当店では業販を推奨しておりませんが取次店、お客様、当店の双方の条件が合えば施工は可能です。(積極的に働きかける事は一切ありません)
 今回、施工にあたっては慎重とお客様の施工内容の御理解をいただきたく、実際に直接のお話しをさせて頂きました。
 業販には全く力を入れておりませんし興味はありません。年に1~2台程度となります。新車であれば注文は難しくはありませんが、経年車の場合はどの様に仕上げるかなど作業範囲のバラツキが生じます。当然価格にも反映されますので簡単におまかせ施工では受け付けられません。

 委託先様からのお話しでは過去に他店(他業者)にて仕上がりに問題があったとか、トラブル?になったとか・・・ その為に、ブラックカラー濃色カラー、スクラッチシールドにて施工が可能な店舗を探していたそうです。

 多くの意見は「まだキレイ」や「磨きたくない」等です。
多くは磨く行為は出来るが仕上がりに自信が無い、まとまらないかと想像が出来ます。確かに特殊な塗装ですが磨くには方法、機材、材料、磨き方理論が揃えば可能です。あとは何処まで磨くか?(深く、浅く、全ての傷を取る勢いとか)でしょうか。

 最終的にどの様に磨いたとか、仕上がり方向性の結果は記事最後に書きたいと思います。

車両の状態とポイント作業

状況は

「グルグル」「ムラムラ」ギラギラとい表現はお判りでしょうか?いつも当店のブログ見ている方は何となく判ってしまうかな?お客様には失礼となってしまいますが「滅茶苦茶な状態」となります。お客様に直接お伺いしたところ、ディーラーでのメンテナンスを定期的に行っていたそうです(新車から5年で5イヤーズコート施工済み)
 確かに屋外ではパッと見は綺麗に見えるのですが、少し照明を当てると簡単に状態が判ります。おそらく断った理由や口実は「まだ十分に綺麗」なのでしょう。

※当店でお見積りや現車確認時は照明で確認させていただいています。また、普段の手入れ、過去のコーティング歴、補修歴の有無も根掘り葉掘り(苦笑)聞かせていただきます。中古車購入の場合は買われた現オーナー様は過去歴は判らないでしょうから塗装面やパネルの状態から診断させていただきます(当方中古車オークション検査員経験者)

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状態の悪い塗装

↑ 何もしていないお預かり時の状態。
 部分により黒味が違くなっているので驚き!

 お話しからディーラーおまかせにより、メンテと称して軟らかい塗装をゴリゴリと塗ったり拭いたりするとこの様になります。新車から5年を迎え既に時遅し。
 現に何かを塗りたくった様なムラという事です。クラッチシールドの効果とは微々たるものですから、扱い方によりこの様な状態となってしまいます。

 丸一日を要してケミカルで下地作りでした。主に使用した材料の一つはSUシリコンオフ。今まで初めてですね最初にシリコンオフを使うのは(汗) 変な塗りたくったムラムラをスパッと切っていきます。瞬斬りです(笑)

 状況は↓ 右から照明の映り込みの位置まで瞬斬りした所です。

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汚れを含んだ油脂分除去

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 とにかく素の状態にしてやっと研磨作業に入ります。

 研磨作業

サイド面の様子は画像を何枚か載せておきます。

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 ここからスッキリさせていくと、撮った角度や場所は違いますが・・・

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磨き後

 最後に磨き前、磨き後の比較をしてみました。

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ボディ磨き前、磨き後

研磨のまとめ

お客様の主な御注文

 お客様とお話をした上で「塗膜を必要以上減らさない」「上面のシミを気にしている、可能な限り取る」というのがご要望でした。ただ、上面のシミについてケミカルや他の方法に頼っても研磨も用いてトータルで仕上げます。
 磨かないで←→シミ除去=正反対の究極の御注文。
 研磨(下地、下準備を含む)に数日かかる事から作業中に一度御確認していただきました。これは、理想とする磨き量で状態を見ていただいてシミの除去、または軽減した程度で御提案致しました。実際に薄く見える目立たないシミなどを残してありますが、これらも除去目的で磨くとなるともう一段深く磨き塗膜の減にもかなり影響するという事です。

 お客様からはOKを頂きましたので目的は達成できるようです。そして、お客様にもお伝えとお願いを致しましたが、見えるキズ、見えないキズ、過度の照明照射で見えるキズ、太陽下の見える状態なども御説明。解釈や表現の違いもありますが完璧というのはありません。申し訳ありませんが御理解をお願いしております。

 結果、お客様の御注文と実作業のバランスが程よい所で完成となります。出来る事と出来ない事がありますのでその様な所は御理解と御了承をお願い致します。そしてクレーム等もお受けできませんので御相談やお見積り時に良く御検討をお願い致します。

 更に付け加えますが、商売として多くの施工店がありますが「ピカピカ」「鏡面」とかの表現より施工の内容、御注文の内容、もっと中身の見える事をお客様に伝える、知ってもらうのが当店の方針です。

 

おまけ

 お客様も心配をされていましたが、機械研磨に限界もありました。エアロ等の複雑なデザインに苦労。

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 多くは機械で対応できましたが特にFバンパー部の入り組んだ部分は手研磨でした。細部の洗浄から手研磨に要する時間は相当でしたよ。

 

 ボディコーティング編につづく・・・