レンズ表面の研磨終了後、塗装に向けた作業に取り掛かります。
念入りにマスキングをしていた物を全て外します。
マスキングを外しフロント廻りの洗浄、そして最重要の脱脂作業を行います。
脱脂の重要性や理論、詳細は別の記事を参照ください。
この車両のヘッドライトリペア研磨編は↓の記事をご覧ください。
塗装準備
研磨後の洗浄や脱脂等で水道水を使用します。これにより水気を完全に飛ばす事が必要ですから手間と時間が掛かってしまいます。
そして、再マスキングです。
再度書くかもしれませんが、再マスキングから準備等を入れると一時間以上を要し塗装となります。
マスキングの写真はいつもフロント部のヘッドライト廻りですが、実際は車両全体を養生していますので思ったよりも時間が掛かるのです。
余談ですが↑の画像を見ていただければ判る、又はそのままなのですが
研磨を終了してレンズを復元、修復がされています。
施工方法を選択されて「クリヤ塗装」「スチーム」「コーティング剤」と判れますが、いずれを選ばれても↑の研磨終了時は仕上がりです。即ち、劣化復元は研磨で決まります。施工方法に選択があるのは大方は保護方法という事です。
※”例外でスチーム施工”を用いる場合は白化現象に有利な為、そのメリットを生かす場合がある。(特例での使用、施工方法は企業秘密としています)
多くのお問い合わせの中、「スチームだから・・・」「クリヤ塗装だから・・・」と御質問や期待感を求められますが、一部の宣伝広告方法、お客様の鵜呑み知識となりますので間違えない様お願い申し上げます。
塗装(樹脂専用クリヤ塗装)
塗料を調合していよいよクリヤ塗装作業です。
規程の膜厚、塗り肌、等全て指定通り正確に行います。一般的に囁かれる失敗談、不良によるクレーム等は製品の不良ではなく、塗装や脱脂、研磨に至るまで、事細かい所に於いて指定の作業が出来ていない事が多いと思われます。
正確性とは作業者の癖や独自性は通用しないのです。
※リペア以後の保護能力が永久的な物は存在しませんので、この樹脂専用クリヤも同様です。メーカーに確認しましたが耐久限度と車両使用保管状況により施工後の性能はかなり差があるという事です。
よって、性能を最大限生かせる様にリペア時に正確性を持った作業を行う事が大事と捉えております。また、施工商品が万能ではありませんので、施工後の性能(耐久性等)を求めるのであればお客様にも御協力を求める所です。(使用保管等)
塗装の肌も良い状態です。
研磨編や毎度のヘッドライトリペアの記事で書かせていただいていますが、車両から外しての作業でしたら尚良しなのです・・・。研磨でも当然なのですが塗装時もエッジ部の廻りこむ裏側にかけてリペア作業が出来ますから完成度も高まります。
ヘッドライトを車両に付けたままの施行はリペア精度の限界がありますので、お客様には御理解をお願いを致します。
一般的に過去の既存の方法などの多くは車両に取り付けたまま行われますが、リペアの精度や耐久性を求めていくとヘッドライト単体での作業が良い事が判ります。ライト形状の複雑化、簡易施工や短い耐久性を経験して諦めてる方、時代の流れにより求める所も高くなっており現在のリペアは「基本的に単体での施工」となり得るという事です。
塗装後仕上げ作業
塗装後に強制乾燥を行います。
乾燥後、指触OKになりましたら最終仕上げ作業、塗り肌などを伺いながら再研磨にて表面の調整。
一旦ペーパー研磨等の作業をします。
以前、何度も御説明している通り、照明(蛍光灯、スポット灯)を常に当てての作業となります。
(写真左に蛍光灯が映り込んでいますね)
常に肌等を確認する為です。照明の映り込みが歪んでいるのか、素直に映り込んでいるのかで確認出来る訳であります。また、小さな傷なども発見、見逃さない事でクオリティが上がります。
※研磨で除去出来ない、劣化による手を施せない、物理的に無理な物は確認は出来ますが除去出来ない。
完成
まずはガレージ内で確認してみましょう。
面倒な話ですが、ルーペ等で観察すれば片側2~3か所にクラックが確認できるかもしれません。神経質なお客様向けへの物言いとなりますが、言葉、文言で表現をするならば、、、という事です。
そもそも、お見積り御相談時に神経質なご要望を求められる場合、施工の御依頼はお断りさせていただいております。
最後に屋外で見てみましょう。
レンズ形状が丸みを帯びていますので光の加減で透明度が判りずらいでしょうか?
ユニット内のブラックアウト等で透明度を確認するのには、日陰程度の場所の方が良いのかもしれません。
ヘッドライトリペアは終了です。
今回は施工前、施工後の比較写真を作ってみました、参考になれば幸いです。