研磨編からの続きで塗装完成編となります。左右のヘッドライトレンズのハードコート層を剥離した所までが別記事の研磨編です。
ホンダ フィット ヘッドライトリペアクリヤ(研磨編)はこちらから↓
脱脂作業
安全確実な脱脂作業を行います。
安全とは?
お預かりしているヘッドライトに損傷させてしまってはいけない事です。
確実とは?
仕上げ(保護)に際して定着をさせるために、しっかり行う事です。
当店の全ての手の内を見せる事は難しいので、ヒントではありませんが何か書いてみましょう。
安全と確実に作業させるために行ってはいけない事の例(使用禁止例)
アルコール(イソプロピルアルコール)は×
シリコンオフは×
脱脂剤(内容成分による)は×
パーツクリーナーは×
中性洗剤は×
大手自動車メーカー、大手樹脂メーカー、大手塗料メーカーのケミカルアタックデータより。
もうパーツクリーナーとかが出てくると、DIYレベルとなりますが(苦笑)
一般的に情報として挙がっている物では、多くが間違っている事となります。
ネット上で上記の材料を使用してトラブルは無かったとかの場合、微細なトラブルに気付いていない、、、や、偶々成功(見た感じのみ)したとか、の例です。
当店では偶々や運が良ければ、等々では施工品質の不安定につながるので、正確な情報の下で施工を行っています。そもそも、失敗や不良な物を作る訳にはいきませんし、DIYレベルでは他店と同等となってしまいます。どんぐりの背比べに参加しているようでは当店は潰れてしまいす。
この作業の重要性とは施工後の数年先まで影響するので(結果として表れる)十分注意が必要です。
「脱脂」については他の記事にも書いておりますので、そちらも参照下さい。
ヘッドライト専用(樹脂専用)クリヤ塗装
再度マスキングを施します。研磨時のマスキングは塗装時のマスキングと違う方法、そして、使用できたとしても研磨時に発生している研磨紛、脱脂前の洗浄による水濡れで使用できません。この再マスキングは車両全体を養生します。塗装ミストは油断するとルーフやサイドパネルまで付着してしまいますから念には念を入れます。
POINT!!
一般的に車両に塗装ミストが飛散付着する原因は幾つかあります。
- このヘッドライト塗装や板金塗装での補修塗装時
- パスタ、シャーシ塗装、下廻り塗装と呼ばれる時の作業時
- 駐車中に隣接する建物への外壁塗装時
- 道路のライン引き時に隣接する場所への駐車中、接近走行中時
車両への作業塗装中は施工者が注意するしかありません、近くの建物、構造物、再舗装中の道路などはなるべく近くを避ける事が必要です。
万が一ミストが付着してしまった場合は除去、剥離作業が困難や作業代が大きく掛かりますので注意しましょう。
再マスキング後塗装作業に入ります。
この塗布の時間は全てマニュアル通りに行います。
お菓子作りと似ているというか、シビアに行わないと良い物が出来ませんよ、不良施工になります。
マニュアル通りと言いながら塗装中に早る気持ちを抑え、塗装温度によりフラッシュオフタイムを微妙に多めにとる事もあります。
POINT!!
あまり知られていない事ですが、通常、一般的にスプレーガン吹きですが、エアブラシガン(口径大、塗料量から吸い上げ式)でも塗装が可能です。大手自動車メーカー(自動車を作っている会社、敢えて明言しませんが)の指定方法です。
当店でもこのクリヤ塗装を補修したり、極小面積であればエアブラシでの吹き付けを行います。
おそらく全国でこの方法を可能な店舗は当店だけではないでしょうか?調査した事はありませんが耳にしたことはありません。全国で唯一?
強制乾燥
規程の塗装を行いヒーターで乾燥させます。
指触OKになりましたら仕上げ作業に入れます。
この時には既にガンの洗浄から次の作業、この車両はボディ磨きがあるのでパネルの洗浄や他作業に取り掛かっています。
塗装後の仕上げ作業
指定されている塗り肌、肌が悪い場合でも全て調整を行います。マニュアル以上に肌調整を行います。ボディコーティング店、磨き店という事はこの分野が得意としている事です。
POINT!!
余談となってしまいますが自動車の塗装パネルを磨いて鏡面と言われる(呼ばれる)場合があります。それはこの上記の方法を経て肌を潰す、凸凹を無くす、削る、平滑にするを行い、最終研磨剤で整え鏡面とさせる事です。一般的、常識的に現在の薄膜クリヤの新車塗膜(製造時のメーカー塗装を言う)を行わない事が多いのです。ベースコートからの塗装時であればクリヤを吹く前にも研磨を入れ肌を整え塗装を進行する場合もあり。
その様な事からスクビジ上がりのコーティング店、ガソリンスタンドコーティングでその様な「鏡面」と謳う所は定義が違うのか? 誇大すぎる表現に気を付ける事です。
そもそも、補修塗装用のペーパーを持っているのか??という所ですね(笑)
ホームセンターで買える耐水ペーパーではありませんよ。
当店でもボディパネル(塗装部)のペーパー研磨は可能です。但し膜厚計にて十分に残膜厚が確保できる場合に限りますし、一般的なのクリヤ有の塗装では、ほぼ行わないとしています。ソリッドのクリヤなし塗装(最近では少ないが)では、経年車(10年以上経過)にはペーパー研磨から磨きを行う事は日常茶飯事となります。
残念ながら鏡面になりません、レンズの透明の物を磨いても映り込まない、反射もしません。ここで何を目的に磨いているかというと、透明度を出す為になります。透明度を出すためにはどの理論で、それを理解しているかで磨く事です。
劣化復元完成
以上完成となります。
最後にマスキングテープを外して、周辺を洗浄、そして屋外での自然光でも確認します。
仕上がった状況としては作業面(外側)に特に問題は無く、内部レンズ内側に曇りと言うか結露して垂れた様な物がありました(内部は施工外です)
さほど問題も無く仕上がった理由は何でしょうか?
大変劣化はしていたものの、復元できるレベルという素材の良さでした。
新車から13年目を迎える車両にしては大変良い結果と言える事でしょう。当店では自己満足や思いっきり褒める様な事はありませんので完成してからの表現に困りますが。
当店では堅実に作業を行う事でしかありません。
最後に決して当店の腕が良いという訳ではなく、
正確な理論を知っている、
それを堅実に行う、、、、、
でしょうかね?
仕上がったヘッドライト、あとはお客様の反応と評価しかありません。
★ヘッドライトリペアには下地作業(研磨とそれに関わる他作業を含めて)が大事というのはお判りになるかと思います。
当店のヘッドライトリペアの3コース
- クリヤ塗装仕上げ
- スチーム系
- コーティング剤(手塗り)
とありますが、全てのコースで同様に研磨作業を行います。
例えばコーティング剤仕上げの廉価コースだから、研磨も軽くという事はありません。
全て同じ研磨です。
どのコースを選んでも研磨を正確な理論で適切に行う事で、仕上げに使用するアイテムの性能を最大に活かす事とします。
面倒な方や金額が~という方へのお断りとなりますが、手作業のリペアですから製品を作る様な精密性や正確性はありません。慣れや腕の善し悪しは低くはありませんが、、、
・・・の為、クレーム等などはお受けできません。
当店のお受けするヘッドライトリペアは何かと制約や注事項が多く、お客様に御理解と御協力をお願いする形となりますが、何卒宜しくお願い致します。
ヘッドライトリペアをお受けするには大変重んじている事には御理解頂きたいと思います。