茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

ホンダ ビート ボディ(塗装)研磨コーティング

1993年(平成5年)ホンダビートのボディ研磨から塗装保護に対する作業を行いました。

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ホンダビート 平成5年

 まずはお客様からの御相談内容から、、、

『ボンネット及びトランク部が手で触ると色移りしてしまう状態です。塗装自体は塗り替え無しの元色です・・・・・・施工可能か?・・・』

最初はメールでのお問合せと御返信となりました。御返信後に直ぐに車両を拝見出来る事になり御来店、遠方から有難う御座いました。

 

基本的車両情報は、

平成5年式、Y53色、色替、再塗装等も無く当時の状態のままです。走行も少なくお客様は約1年程前に中古車として購入されました。購入される時に車両全体が良く、塗装もオリジナルの状態、大きなダメージも無い、、、という事でした。

問合せを頂いた時に、「カーニバル・・・」?と早とちりしてしまい「S660のサービスキャンペーン カーニバルイエローの不具合」対象車かと思ってしまいました(汗) 冷静に思えば今回の車両はビート、そしてサービスキャンペーンはカーニバルイエローⅡでした~

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ホンダビート 平成5年

 

塗装状態

塗装は劣化しています。
現象としましては「チョーキング」ですね。
粉を吹いた状態などと表現される方もいらっしゃいます。

※画像の1枚目ではレモンイエローの様な色合い、2枚目は照明の関係を省いても暗い表情に見える。本来の色調ではなく色が白濁、艶引け状態となる。

ソリッド単色塗装で起こる劣化現象です、クリヤ塗装が無い塗種の、ベースコート(カラー)のみの塗装だからです(簡単に伝わりやすく表現をさせて頂きます)
今回の車両は塗色が黄色なので黄色い粉が出ます。例えば白色のお車であれば白い粉が出たり、洗車をすると白い液が出る、垂れるなどとなります。
原因としては様々な要因(環境)からなる塗装劣化、色成分塗料(顔料)が劣化により粉状(チョークの様)になるという事です。本来、塗装はある一定の硬度があり固まっていますが、劣化により壊れて粉状に崩れているというのも一つの例えでしょうか。
このソリッド塗装は車両の経年、経年中の使用保管、お手入れ状況により油断していれば早期に症状が悪化してしまします。
そもそも。一般的に見て塗装は艶が引けたり、無くなってくると劣化、傷んできたのか?と心配や対策を考えると思いますが、ソリッド(クリヤ無)では更に深刻な状態となります。(そーですよね?色が落ちたり、粉が出たりですから、大ごとと捉えるかと思います)

チョーキングとは? と、調べれば(検索等)おそらく基本内容や理論が出てくると思います。ので、当店(このブログ記事)では、ディティーリングの記事として施工の御紹介とさせていただきます。

研磨作業

まずは最初に今回の様なソリッド塗装(新車塗膜、生産時に塗られた塗装)の施工歴は少なくはありません。但し、例えばここ10年程度内でお話をすれば以前より少なくなりました。とは言え、私自身塗装も行いますのでクリヤを吹く前にベースカラーを研磨すれば同様の事です。

 

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入庫から下準備(洗車~)からマスキング作業です。

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ホンダビート マスキング

車両形状がオープンタイプの幌式なのでトップのマスキングは全カバーを行います。私は大昔からオープン車両はこの方法を取っています。
何かあったら、付着したら洗えば良いだろうではなく、労わる事に重点を置く方法がベストと思います。また、オープン、ピラーレスハードトップ形状車は水漏れ等にも注意しなければなりませんし、どうしても洗浄等が必要であれば水圧や流水時の排水などにも気を遣う事です。

研磨前の状態から、

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ホンダビート研磨前

正面から見ると発色しているようにも見える。
でも、色が飛んでいる様に見えるし、塗色名の「カーニバル」には見えない(そもそもカーニバルの色とは?判りませんが、失礼!)

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ホンダビート研磨前

角度を変えれば蛍光灯の映り込みは薄く途絶え、ほぼ発色は無く艶は引けている。

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ホンダビート研磨前

オーナメントの浮きもチェックしていますが、塗面を指触していきます。
チョーキング現象の塗紛の取れ具合を写真に収めようとしましが上手くいかず。
※各パーツなどの装着状態や表面の状態なども確認しておかなければなりません。簡単にマスキングテープで隠蔽して研磨なんてことはありません。経年車、旧車はパーツが壊れる事も考えられますからね。

指触から最初のアプローチは何?
ペーパー研磨からとなります(その前に特殊剤での下準備は行っています)

バフを回しても絡まるだけ、そして、研磨量の見込み分を検討して研いでしまいます。
数回の工程から、

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塗装研磨

最終時は下の写真の通り。

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塗装研磨

残塗膜は側面と同様量を確保しています。
使用する機器が違うだけ(アプローチ)で、残塗膜確保、仕上がり感を同様にとなります。
お客様と十分お話しさせていただきました。
「オリジナルの塗装を生かしたい」=お客様
という事は、塗膜量を最大限残したうえでの美観向上(艶無し、チョーキングからの復活)の両天秤、バランス。ですから、傷を全部取る勢いの極重切削ではなく丁度良い所で仕上げていきます。
参考までに当時の軽自動車(ホンダ車ソリッド)より+平均10%以上の膜厚はあるようです。平均計測値により数字にして作業に取り組む事も一つの担保となります。
ソリッドの場合は物理的に今ある塗膜を半分にする事も可能、その場合研磨が正しく行われれば傷一つない塗面と鏡面(肌を完全に近い平滑)に仕上げる事も可能です。この方法はメリットとして最高レベルで美しく仕上がる、デメリットは塗膜減により塗装強度低下、薄膜過ぎれば塗色の奥行き感が減少する場合もあります。そして、重切削になれば施工料金も多く掛かります。

付け加えるとペーパー研磨自体が重切削と捉える場合がありますが、そうかもしれませんが・・・正しく研磨をする事が可能であればボディ(塗装)研磨(磨き)の工程のアプローチの一つという認識です。当店ブログ記事に良く登場する県内各所の簡易施工業者とは違うというのは一目瞭然となります。

もう一点、この方法が完全に正しいと頑固(頭が固い)な事は申し上げません。例えば施工御注文内容など、条件などにより他にも方法はあるのです。
実際に以前の経験から多種の方法は幾通りも。
仕上げ方により別方法としては研磨剤+艶出しを同時に行うやり方。その様な方法でも意外と誰でも簡単にキレイになる事です。この様な方法では多くは中古車仕上げなどにも用いられます。技が無ければコンパウンド一種、一本のみで作業してもそれなりにキレイに見える事でしょう(劣化状態時との対比でキレイに見える)

今回はお客様の拘り車両、簡易的に仕上げるのではなく作業を完全にセパレート。塗面の復元、復元後の塗装保護という内容です。

さて、文字数が多くなりましたので進めて行きます。

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塗装研磨

バフは黄色くなります、それ以上にガレージ内、床面、自身も粉だらけになります。換気は重要・・・

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磨き前後

黒線辺りまで研磨した所。
光沢、蛍光灯の映り込みで判断してください。

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磨き前後

↑ 画像の角度が違いますが変化ありです。

リアフェンダーの例、

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研磨前

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研磨後

ポリッシャーによる研磨はソリッド単純2ステップ程度(状態や状況により)で比較的容易に仕上がります。単色の発色は見えやすい、メタリックなどの粒子があれば光は屈折し見る角度で光沢加減や傷などを見逃したりします。

最後はビートならではの塗面の確認方法、

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塗面の確認

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塗面の確認

ボディコーティングと完成

ボディコーティングは各メーカーや各施工店(簡易は除く)により意見の違いや考え方もあります。しかし、塗装の最低限の基礎知識があれば同じ方向性かと思われます。

メーカーさんによっては塗種により技術要項や注意点もあれば、
「いつまでも新車の輝き」
「驚異の撥水力」
「お手入れは水洗いだけで」
とばかり、のメーカーさんも、、、

易しく書きますが一般的にソリッド塗装は吸い込みやすい特性があります。ソリッドに何かを塗れば塗装に染み込む、吸収されるのです。簡単に言うとガラス硬化型(結晶化するもの)で表面を覆うのはこの為向きません。結晶化する物でも施工は可能な物、全く不可や後のトラブルが発生の恐れの物などがあります。

当店では現在一番塗装に優しい(ソリッドに対して)、また復元後状態により、経年数によりと多種の条件も併せますが、今回はSオリジナルフッ素コーティングを施工させていただきました。

※Sオリジナルフッ素コーティングとは?
 当店オリジナルコーティングで車両や塗種を選ばず施工可、マイルドな志向性から耐久性も1年前後(効果には環境等により短期間もあり、長期の車両例もあり)の目安

硬化型コーティングで塗装に負荷を掛ける等は止め、再劣化時や経年後のリカバリーに容易にアプローチできるものとしています。逆に硬化や実結晶による硬度は無いに等しいので微細な傷防止やガード等には効果はありません。

参考までに一般的に言うハイグレードな完全硬化型(膜厚結晶タイプ)でソリッドへの施工の例もあります。私的に所有している車両ですがクリヤ塗装の代わりにならないのか?という疑問(論理から外れていて無理は承知の上)から検証をしているのです。5年程経過していますが経過は良好です。
当然コーティングは塗装とは違いますから期待はしていなかったのですが、選択実験したコーティングの実力を知っての事になります。

現在も再施工や劣化の症状も無い所ですが、唯一のデメリットはソリッド上に手塗りコーティングでの高膜厚は吸い込み傾向の影響もあり、表面の均一感に不満があることぐらいでしょうか。

それではコーティング施工後の完成画像となります。

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研磨、コーティング後のカーニバルイエロー

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研磨、コーティング後のカーニバルイエロー

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研磨、コーティング後のカーニバルイエロー

薄日が射す程度の空模様ですが、しっかり雲が映り込む。

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研磨、コーティング後のカーニバルイエロー

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研磨、コーティング後のホンダ ビート

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研磨、コーティング後のホンダ ビート

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研磨、コーティング後のホンダ ビート

上の画像2枚で確認できるゆず肌は切削すれば、鏡面へと変える事も可能です。ただしその為には更に研磨量を増やす事。その労力と技術は簡単には済まない事。ですから簡易施工店や業者が「鏡面仕上げ」と簡単に言うのが信じられない訳です。又は履き違えているのでは?一般のエンドユーザー様に誤解を与えてしまっているのはお判りいただけるでしょうか。常識と良認識で判断されていただきたいと思います。俄(にわか)施工業者やガソリンスタンドでも研磨には「鏡面コースが・・・」いやいや、怪しいだろう(笑)

そもそも、多くはクリヤ塗装ありの車両を磨いてベースコートがゆず肌で、どうやって鏡面というのか?不明です。

余談ですがそれなりに看板と施工商品体制がある施工店をWEB上で拝見しました。施工例として結構前の話ではありますが、トヨタ車のソリッドブラックを磨いていて、「バフに黒色塗料が付着する」と不思議がっていました。何故?と判らず磨いて施工終了していました。そーなんだ(変に納得)それでもお客さんは沢山いるようだし、、、これ以上は申しませんが。

付帯サービス作業

走行は少ないとはいえ27年前の車両です。各パーツの傷みが激しい所もあるようです(研磨とかでの対象ではない部分)
サービスとしてテールランプのレンズは研磨でリカバリーさせて頂きました。

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テールレンズ研磨前

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テールレンズ研磨後

細かい傷が全体に回っており艶引け状態でした。

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テールランプレンズ研磨後

ボディパネルの艶とバランスがとれる表情になりました。

また、遠方からの御来店という事もあり、引き取り日までに時間があった為車両内部の洗浄を一部行いました。

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ドアヒンジ等の洗浄前

左右対称での比較になってしまいますが、

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ドアヒンジ等の洗浄後

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フード裏洗浄前

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フード裏洗浄後

前廻りまでは作業が出来なかったのですが、左右ドア内、後部エンジンフード内は作業をさせて頂きました。

まとめ

  • 塗装パネルは正しい理論の下(もと)磨きましょう(全ての塗種に言える)
  • 間違った磨きは後戻りできない(研磨すれば塗装は減る)

などから、施工御注文内容はボディ研磨(ハードコースにソリッド追加料金発生)、ボディコーティング(塗装保護と再リカバリー性考慮)となります。

施工後の注意点などは油断はせず適度に的確にお手入れをお願い致します。経年により再劣化も考慮、前提で御説明をさせて頂きました。

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ホンダビート 平成5年 研磨コーティング完成

最後にお客様は私と同世代、他にも旧車を所有されている様で以前私も所有していた車両と同車種。当店のお客様に多いですね!旧車、希少車、珍車乗り・・・

遠方からの御利用誠に有難う御座いました。
希少なお車をお任せいただき感謝と御礼を申し上げます。

 

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