茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

マツダ CX3 塗面への樹液付着、コーティングメンテナンス

ボディガラスコーティング施工車両に樹液らしきものが付着し、除去の御相談を承りました。今回の記事のキーワードは「一分、一秒でも早く対処を!」です。

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マツダ CX3

 こちらのお客様車両はマツダのCX3、2019年11月時に当店でボディガラスコーティングを新車施工させて頂きました。参考までにボディカラーは「セラミックメタリック」です。
その時の画像は、

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マツダ CX3 ボディガラスコーティング

 

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御連絡を頂いたのは1年経過前時の「定期メンテナンスには多少早いが樹液らしきものが多くついてしまった・・・」のSOS的な電話でした。

使用、駐車時の木の樹液が付く状況、そして普段利用されているGSの洗車時に指摘等もあったと言いう事でした。視的に付着物も黄茶色の様なものですから、電話の内容からほぼ間違いの無い内容と思われました。

 

 

状況と詳細

早速車両を持ち込んで頂きました。

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塗装への樹液付着

上の画像、カメラの距離感では判りませんが、

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塗装への樹液付着

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塗装への樹液付着

近くで見ると↑の様な感じです。そして、何粒と数える事は出来ない程の無数と言わざるを得ません。

ボンネット以外には下の画像の黄丸部分です。同じく無数と表現するしかありません。

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塗装への樹液付着

ルーフ、ルーフサイド、バックドア上部、ドアベルトモール下などですね。
固着や浸透、塗装へのダメージ(コーティングへのダメージ)などは上部(上面)ほど深刻な状況と推測します。(付着から日にちが経過すればするほど)

先に現状を御紹介しましたが、お客様からの経緯や情報、詳細は、


◇樹液付着に気が付いたのは?
洗車(ガソリンスタンドでの手洗い)により店員(アルバイト)からの指摘だそうです。

◇ガソリンスタンドでの対応は?
洗車後の拭き取り時に固着して取れないのでお客様に報告。試しに取ろうとするには?と聞いてみると「何とか??を使って、、、何かをやって、、、??」らしかったので、お客様は怪しい(いや不信感でしょうか?)と思い当店へ相談。

◇お客様の使用状況により付着に疑わしい事はあったのでしょうか?
先日アウトドアの為出掛けて、車両を木の下に停めたそうです。
今回持ち込まれたのは、その時から既に一週間?数日?は経過しているそうです。

冒頭お伝えした通り、こちらの車両はボディガラスコーティング施工車両です。ガラス質は硬化型で結晶化タイプです。ガラスコーティングにも種類があり、判り易く(易しく)表すと塗膜の上に結晶化=実ガラス膜(層)が出来るタイプです。

それでは結晶ではなく非結晶タイプとはどの様な物でしょうか?
結晶(硬化により)化しない物は塗面上に架橋(易しく言えば化学反応みたいに)して表面状を作る(組成)イメージです。

表現や文字にするのが難しく、誤解を与えたり間違いと捉えられる危険性もありますが、ガラスコーティングには成分等により実際は種類、タイプがあります。当店取り扱い品は全て把握して(最低限でも性質等)の販売になります。


話が逸れて行ってしまいますが、例えばコーティングを選択する場合、メーカーさんやショップがこれは硬度が高い、又は膜厚が厚く、、、などとありますが、成分や性質が全く違う、タイプが違うのであればそれは比較の対象にはなりません。
ですからという訳ではありませんが、一般的にお客様がインターネットで調べて商品選びとなった場合、ガラスコーティングの詳細が判りずらいや情報が少ないなど困難を究める事となります。市場は本物とインチキくさい物、間違った表記商品、誤解を与える商品、何でもありと混沌としています。

当店でも完璧な答えを持ち合わせていなかったり、不足する部分もありますが、お客様から御相談時には可能な限りお答えを致しております。そして、それぞれのメリット、デメリット、特徴などを御案内させていただいております。
現にお客様からは「塗装へ影響が少ない物、後の経年後のリカバリー時に塗装へのダメージが少ない物は?」と御相談は少なくありません。

※化学薬品メーカー等並みの知識や理論は持ち合わせておりません。そもそも、化学記号を用いた説明をすれば諄い話と煩わしい印象を持たれるでしょう。しかし、メーカー直から下りてくる情報、原材料メーカーの情報などは多く、当店の強みと思っております。大変申し訳ありませんが御理解をお願い致します。

 

という訳で本題に戻りますが、ガラス硬化型コーティング施工車なのですが、ガソリンスタンドのアルバイトさんが正しく対処されれば問題はないのですが・・・
状態(現状)から、全除去出来る場合は症状が低程度だったり、状況が深刻なダメージ(最悪は塗装への浸透破壊など)でこわれてしまった場合は限度があるという事です。
※塗装やコーティング、処理法を正しく認識している前提

処理作業

作業の前に樹液とは?
詳細はWEB検索で詳細や情報は御確認下さい。
樹木から落ちてくる分泌される液ですが(主な例は)、木の下などに駐車した時に車両に付着した場合は厄介です。

車両に付着した場合は「一分、一秒でも早く対処を」です。
コーティング施工車、未施工車の関係なく対応はお早めにお願い致します。コーティング施工車ではコーティング膜がガードする働きはありますが、それでも時間の経過と共にコーティング膜を突き破ります(比較的早く進行しますので注意)。そして未施工車では塗装にダイレクトに悪影響を与えますので御注意下さい。

今回お客様が持ち込まれた時期は微妙な経過時間でした。
現状確認から、ボンネットとルーフは溶剤や特殊な作業で落とせない場合(コーティング膜破壊、塗膜への浸透等)研磨と再施工で承りました。
僅かに浸食しているように感じられたからです。

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塗装への樹液付着 浸食

お客様も心配をされていましたが、コーティング膜がガードして塗装への重大なダメージを受けていなければと・・・。

全体の作業は、

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塗装への樹液付着 除去作業

上の画像の右端に写っている特殊なクロスと特殊溶剤にて除去していきます。この方法は塗面(コーティング面)にほぼ傷を入れる事が無く、そして除去能力に長けているのが特徴です。他にも方法はあるのは勿論です。その場の状況により方法を使い分けるのが良いと思っています。
一粒づつ目視確認しながら除去、ルーフとボンネットには一部塗装へのダメージがありほぼパネル一枚での研磨作業となりました。

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塗装への樹液付着 除去作業

最小限の研磨作業でしたが、コーティングも剥離されてしまいましたので再塗布となります。

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再コーティング施工

今回のタイミングはギリギリでしたが、コーティングが防御してくれたようです。ですが一部再研磨、コーティング再施工となりました。塗膜には浸透跡(塗装破壊)が残らずホッとしましたね。

作業に関しての詳細は、

  • 通常メンテナンス
  • (別途)樹液除去作業(コーティング再施工含)

となります。

但し作業預かり時間を多目に頂き、メンテナンス料金を含め値引調整をさせて頂きました。(パネル数で数えて、まともに見積もりすると高額になってしまいますから値引考慮しています)

完成とまとめ

まずは完成写真。

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マツダ CX3 ボディコーティングメンテナンス

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マツダ CX3 ボディコーティングメンテナンス

今回の樹液付着をはじめ塗装やコーティングに悪影響を与えるものは多数あります。例を挙げると花粉、鳥糞、酸性雨鉄粉、黄砂等々、、、酸性雨とは別に通常自然に付く水分、水道水や井戸水と屋外で使用する車両には多くの外的要因が存在します。この各々の外的要因には早く対処、対応を急がなければならない物が多いという事になります。

「一分、一秒でも早く対処を」コーティング施工済みでも油断は禁物、完全な防御は難しい所です。

今回はお客様が素早く対応、これが最大に良かった事です。・・・で何とかギリギリセーフ。しかし、一部コーティング再施工になってしまいましたが、塗装へのダメージや痕跡は残らずリカバリーできたという事でした。もし、放置などしてしまったら、あっという間に取り返しのつかないダメージを受けていたでしょう。

注意:全て今回の例の様に結果オーライとなる訳ではありません。外的要因による症状は良い結果が出ない場合もあり
 

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マツダ CX3 ボディコーティングメンテナンス

施工後のタッチアップペイントの御相談もあり、完全な脱脂からの施工となりました。御利用有難うございました!

外的要因に関連する余談

先に、一つの御紹介例から後味が悪くなる場合はお詫びいたします。

今回の様な外的要因によりお車がダメージを受けてしまう例は少なくありません。そして一件事例として挙げてみます。
お車は国産高級車ですが、当店コーティング施工車両です。
お客様は鳥糞被害を受けました。
ご自宅の車庫(半開放、屋根有程度でしょうか?)にて、毎年鳥(鳩か燕あたりでしょうか?)が活発になる時期に車両の上などに飛来するそうです。お客様の話っぷりから「毎年の事」の様な楽観的、お仕事が忙しい等の様です。その為に一ヶ月程度糞爆弾を放置させておいたそうです。
それで、放置後に洗車したそうです。結果は塗装が膨張(みみずばれの様になる)、既に時遅しという結果でした。スポットで大きな染みの様になり、多少茶色に色味も付き浸透してしまっている様でした。その結果から連絡を頂きましたが、いかなる処方を施しても無理という事は当然の事です。

その時の会話というか気になった部分は、口癖のように何度も何度も「今まではこの様な事はなかった」・・・だそうです。
そう言われましても(困)
今までは無くても今回はダメだったという事ですが、運が悪かったのか、偶々なのか?ではなく被害を受けたら速やかに対処をお願い致します。
鳥糞の成分に酸(有機酸)が含まれています。酸は塗装(※コーティング)に対してすぐさま悪影響を与えます。例えば薄っすらとしたシミ程度(時間経過が無く速やかに)でしたら研磨や加熱処理程度で取り除く事は可能かもしれません。しかし、塗膜の破壊、簡単に言えば壊れてしまったものは再生できません。(注:塗膜の構成や構造等の説明も加えたいのですがここは省略)
※コーティングの種により耐酸性の強弱、耐用性もあります
だから、放置は厳禁、速やかというのは「一分一秒でも早く」というのです。もう少し言えば鳥糞付着を発見したら直ちに、その時点でという事です。

強いて言えば(敢えて言えば)
施行したコーティングが悪かったのか?
偶々ですが糞を落とした鳥は食べた物に何か特別の物が含まれていたのか?
もしくは、体調により糞の酸性成分値が強烈だったのか?
口癖の今までこんな事はなかった、、、というのは常に同条件だったのか?
同条件とは鳥糞量、酸性値、放置時間の平均気温湿度等気象条件(日照時間を含む天候等)、更に塗面への水分(降雨、夜露等)、付着前の車両コンディション(メンテナンス等)等思いつく事を上げてみれば切りがない事です。思いつくものを多数、複数組合わせれば「今まではこんな事は無かった」は通用はせず。

ですから、鳥糞等に限ってではないですが、運悪く外的に被害を受けた時は適切、速やかに処理をお願い致します。

大変失礼かと思いますが、
このお客様の認識では当店新規来店時には「以前のコーティングが5年を迎える為もう落ちている」と仰っていました。(現にメンテナンスは無しのかけっぱなしという状況でした)
それは間違いというか、何を根拠に?となってしまいます。
おそらくディーラーに「5年間は特にメンテナンス不要、水洗いだけでいつも新車の様に」をまともに受け止めていたのでしょうか?

まとめると、

  • コーティングは万能ではありません(セールストークやキャッチコピーが独り歩き感も)
  • コーティング云々(過信)ではなく外的要因による被害時は即時処理。
  • ネット情報(不確実な)や勝手な思い込みは禁物

 

被害を受けた場合、リカバリー作業時と多様な条件の組み合わせや、状況により良い結果が出なかったりしますが(まずは初期対応等)御理解と御協力をお願い致します。