車両全体の細やかな洗浄、そして塗装パネルの研磨が終了後、ボディコーティング作業に入ります。ボディ(塗装)以外の部位にも専用コーティングを施します。
この記事には前編がありますので「洗浄ボディ研磨編」を先にお読みいただくことをお勧めいたします。 s-detail.hatenablog.com
ボディコーティング作業
ボディコーティングには塗装パネル面(通常の表面)、そして、パネル面から隠れている部位(表面と同様のB82が塗装されている面、外板裏塗装)にもコーティングを施す事とします。それぞれ、手塗り(特殊クロス法)、スプレーガン塗布の方法を用いました。
パネルへの通常のボディコーティング塗布
特殊なクロスで塗布、拭き取りを行っていきます。多くの情報を見ていると”塗り込む”などと表現もありますが、誤解を招いてしまう事もあるのではないでしょうか?力(腕力)も要りませんし、塗装に触る行為は厳密に言えば摩擦が生じますので、折角磨いた塗面に傷が付かない様に気を遣う作業です。
斑がなく均一、適量、そのために特殊なクロスやスポンジ等を用います。一般の方が考えている、又は市販されている物とは違う事です。勘違いされている方が偶に訪れネット情報を元に持論を展開される場合がありますが見識の違い、知見の狭さを感じてしまいますのと思い込みが激しく手が付けられない事も多々あります。
内部へのコーティング塗布
各ドアを開けた状態(4枚)、その他バックドア内、そしてフード裏(E/gルーム)のB82が塗装されている場所、また鋼板裏側の露出部へスプレーガンで吹き付けていきます。
フードを開け裏側、E/Gを囲む様に見える部分は、全て吹き付けていきます。洗浄の所で書いたコアサポート付近の洗浄はこのガン吹きのコーティングの為の下準備だったのです。
写真はありませんがバックドア内側も同様に吹付けを行って終了です。
ボディパネルは通常のコーティング塗布法、他は吹き付けにより細部までコーティングとなります。
ここまででボディ塗装部のコーティングは終了です。
コーティング施工には数回の塗布と拭き上げ、同じ所を何回も行い定着や膜厚を稼ぎます。
ガンによる施工はある程度入り組んだ部分や狭い場所にも塗布できる事、この方法を用いても徹底的に行いましたという表現は適切ではないと捉えています(洗浄なども)。可能な範囲で行いました位が適切でしょうか?以前レストア業のアルバイトを経験しましたが、車両が出来上がっているもの(パーツが組みあがっている状態)と、パーツ単品では施工性や保護加工・施工には差があります。簡易業者が大げさな表現されるようですが、冷静に受け止めるべきであって、施工業者の”良くやりました”大変でした”作業日記です。一生懸命頑張っているので寛大に称えると喜ばれるかもしれません。
ボディコーティング以外の作業
樹脂部のガラスコーティング
ボディコーティングから日を改め、次の部位や素材へのコーティングとなりました。これは、ある一定の乾燥時間を要するからです。そもそも、施工数や工程数が多いので日程も長めに取りました。
カウルトップベンチレータールーバーをはじめ、フォグランプのベゼルカバー、ラジエターグリル部、リアワイパー、各ピラー、などで手塗りが可能な範囲でほぼ全てを樹脂専用ガラスコーティングで保護。
SUV車と比較すれば部位や面積は少ないですが、緻密な作業になりますので多少時間はかかってしまいます。この作業に使用するコーティング剤は手塗り専用品になりますので塗布、拭き取りが困難な場合(形状の複雑化、奥行きの深さなど)は作業が行えませんので、これから施工を検討されている方参考として下さい。
ヘッドライトコーティング
ある意味新車に近い状態ですが、劣化防止、保護、犠牲被膜という感覚で専用コーティング剤を塗布しました。
通常の劣化状態を復元後にハードコートするのではなく、正常な状態にオーバーコートするイメージです。この理論は定着の部分では不安などはありますが、劣化防止に多少なりとも役立つ事となります。
今回使用したコーティング剤はあるメーカーさんから提供された商品です。
アルミホイールコーティング、下廻り防錆
アルミホイールコーティング
アルミホイールコーティングと言えばまずは洗浄です。汚れているものにコーティングするのであれば汚れを閉じ込めるだけ。ジャッキアップ~リジッドラック(スタンド)をして表面、裏面を洗浄。
ここで注意! 写真↑に写っているフェンダーライナーは樹脂専用ガラスコーティングを施工済み、リアフェンダー内も小さめのライナーが付いていますので施工済み。
調色ライトで確認中、入り組んだデザインであれば何度も確認します。
そして、洗浄後にアルミホイール専用ガラスコーティングを塗布(表面、裏面)をしてヒーターにて強制乾燥です。アルミホイールに特化した専用コーティング剤で乾燥と定着が凄く速いのですが、念には念を入れての強制乾燥です。
下廻り防錆
少し錆び気味のドラムカバーのみパスター塗装するつもりだったのです。
アルミのスポークから覗く錆びたドラムカバーはいただけませんよね。
しかし、せっかくホイール外したので、下廻りを良く観察すると、、、
気になる部分があった為に部分的にダメージが受けやすいと所をNoxudol (ノックスドール)でアンダーコート・防錆処理を行っておきました。車両の下に完全に潜っての作業でしたので写真は撮れませんでした。
参考までに私は以前WAXOIL(スイス)の正規施工者で内部、外部防錆を行っていました。一般的な下廻りをシャーシブラックで塗るのとは違います。降雪地域や沿岸部等では需要が多いですが、車両を長期に渡り保護したい方などには好まれる施工商品です。
ウィンドウガラス油膜除去
まだ新しい車輌とはいえスケール等の目立つ傾向です。専用研磨剤にて除去しておきました。
その後、ウィンドウガラスコーティングは無しです。好みの問題ですが油膜のない親水状態の方が見易いという方も居られます。感覚や好みの違いですね、私的と経験上のお話をすると業務用ウィンドウガラスコーティング剤は強力な定着力があります。その上、使用中や経年による再施工時、リセットする場合は時間が掛かる研磨の作業と費用が多少多めに掛かってしまいます。経年後のその様な所も御理解の上で施工御注文を頂いております。
ステッカー除去
好みの問題、気になる方、気にしない方はそれぞれです。ディーラーや販売店の社名店名ステッカー等も同様です。
リアガラスの右下のステッカーを剥離してすべての作業は終了となりました。
完成とまとめ
作業数の多さ、途中には別車両の作業と、一般的な車両より施工日数が多くなりました。
完成は以下の通りです。
施工内容をまとめてみます。
- ボディ、その他E/gルーム、全ドアパネル内、全開閉部、下廻り洗浄・・・これらにはトヨタ高品質Car洗浄まるまるクリン元施工者が同様(品質)の作業
- ボディ塗装パネル研磨(テールライトレンズPMMA研磨含む)
- ボディガラスコーティング(スプレイガンによる施工含全パネル内まで)
- ヘッドライト専用ガラスコーティング(コーティングメーカー様提供品、業界の中での知名度からか何社からか送り付けてこられる場合あり)
- 樹脂部専用ガラスコーティング(一部施工不可あり)
- アルミホイール専用ガラスコーティング(表裏面全施工、今回はガン吹き無)
- 下廻り外部防錆処理(一部)、ドラムカバー塗装
- ウィンドウガラス油膜、スケール除去(鉄道会社採用使用品)
- 「燃費基準達成車」「低排出ガス車」ステッカー剥離(以前は各レンタカー、リース会社から依頼業務を長年経験済み「俗に言う看板消し」)
- 記事にはありませんが純正マッドガードコーティング単体部分施工(後付けの為)
- 記事にはありませんが室内除菌(ガン吹き施工)(以前は光触媒施工扱い)、及び食品衛生法適用除菌剤による指触部除菌
- 他、多数
今回御紹介した内容順は施工の順番通りではありません。内容と車両状態により必ず的確な施工手順を組む事は間違いありません。手順のスムーズさと無駄がない施行手順の為、最短で仕上げます。がしかし、当店では時間を争うのではありません。他店よりお預かり期間は多めに取っています、これは難易度が高かったり多種の施工法を施す場合もありますのでお時間を頂いています。
また、全ての作業を標準では行っておりません。施工をお断りしている作業がありますので御注意下さい。
作業を行う、施工数が多くなれば作業対価として料金を頂く事となります。稀に勘違いされているのか?判りませんが無理な金額や内容を交渉される方もあります。恐れ入りますが御理解と御協力をお願い申し上げます。
最後に
多くの施工数により使用状況によりメリットを多く感じられる所、あまり感じられないが保護能力や美観維持に役立っている物とあるはずです。
因みに今回の施工内容は通常取り扱っていない作業もあります。興味のある方、物好きの方など、御要望があれば御相談、オーダーをしてみて下さい。
あまり神経質な方には向いておりません。何故なら細かい作業が多く、通常のどこからどこまで塗ってというキッチリした作業ではありません。目的別、効果が判りずらい部分などは多くありますので、その様な事を十分ご承知される事をお願い致します。
参考までに最も資材を使用した物は、ボディコーティング、アルミホイールコーティングでしょうか?おおよそですが車両2台分を使用しています。この辺りは材料、作業時間等に関係、費用にも影響致します。
この車両の作業中、作業後に何名かのお客様が目にしていますが、「新車?」と言っていたのは事実です。
追加情報:コーティングメンテナンス
施工から1~2ヶ月でコーティングが落ち着きました。
※施工後は必ずお客様にご案内得を差し上げている重要事項です、コーティング種、主成分により内容が異なる
この期間は不安定期です、ディーラー等で「コーティングをかければ水洗いだけで5年間キレイです!」などを真に受けてしまっている方はいませんよね?コーティングの種にもよりますが(ガラスコーティングと言っても主成分やその種類により)、一般的に施工初期は不安的ですから注意する事です。
主に排水状態(他の要素もあり)の変化から安定した事が感じ取られます。
その後おおよそ4ヵ月でメンテナンス作業を行いました。その理由とは上面に大気中にある外的要因、油脂分(大気汚染)、多くの要素から、少し調べていただくと判る事なのですが、汚染の原因となる化学物質、雨に混ざってくる酸性雨、空気中にある汚染された物質は多々あるそうです。
塗面、コーティング面の状態が本来とは違う排水性となれば何か好からぬ物が付着?と判断します。通常の洗車では落とせない、改善されないのであれば付着又は固着と捉えます。
コーティングは外的要因から防御はしていますが、定期的にその防御している形の中でコーティング面を一旦フラット、リセットにしてあげる事(理論の詳細より優しく表現しております)でまた良い結果を得られる事になります。「汚れを寄せ付けない・・・」などと宣伝文句もありますが、100%真に受けている方はいないかと思いますが(笑) 屋外で使用する車両、何かは付着しますし、コーティングを長持ちさせたい、効果を少しでも持続したいのであればお手入れは必要です。
この記事を先に読んでしまった方は前編の「洗浄ボディ研磨編」があります。参考までにお読み頂く事をお勧め致します。
ここまで、お読みいただいた方にはお疲れ様です、記事文字数も5,000字数を超える長文ですので本記事の最後の御案内です。
現在(2021年3~4月)、新車、経年車共にボディコーティング施工をお受けしています。
※ヘッドライトリペアは施工材料一部欠品の為滞っています
特に春季の為、車両購入が多い時期、新車コーティングにはキャンペーンを適用したり重点的にお受けしています。拘った施工(拘り過ぎもいけませんが)、等々も御相談により可能です。
また、一番当店が気にしている事は施工の内容を少しでも御紹介して、中身が見える施工商品とさせて頂いています。
それでは、御検討、御相談を宜しくお願い致します。
※他店で断られてしまった車両や重施工車の入庫で予約が取りずらい場合が多々ありますので御注意下さい