アウトランダーの新車のボディコーティングを承りました。納車日から、またそれから遡って登録日からの日数経過により多少の塗面の汚れを感じました。
新車購入という事でお問い合わせ~納車日等がなかなか判らず、他の御予約が入ってしまい施工日にはお待たせしてしまいました。
その後約一週間の雨天続きとなり、車両は通常より念入りに洗浄となりました。
皆様にお願いです!土日施工集中になると施工数に限りがあります、施工にはお待たせする事も御座いますので御協力をお願い致します。
車両情報
エクステリアを見ると ボディカラーはホワイトパール×ブラックマイカになります。ホワイトパール単色のみでも有料(一般的なパール色の割高)ですが、こちらはルーフ色ブラックマイカのツートンになりますと更に割高となります。
上面の濃色はお手入れ度MAX、シミ等によるダメージにはお気を付けください。ご存知かと思いますが、三菱車のブラックマイカ等は比較的ソリッドブラックの様に黒味のみに見える傾向です。X37、X24等はあまり見分けがつかないという認識です。
今回のお車の様にルーフ上面のみで肉眼目視では、正直、何が違うの?と判別が出来ません。自補修塗料での両者のブラックの比率を見るとディープブラック、チンチングブラックは両者大きくは違わない(当然違いはありますし、調色では全く別物です)
特徴としてマイカとしてのいわゆるキラキラ感があまりありません(判り易くイメージで表現)、ブラックの加減、色コードの判別が判りづらいですね。
という訳でシミや傷が見えやすいデリケートなブラックルーフですが、、、!?
保護フィルムシートの跡が残っていました(画像無し)
最近では何とも珍しいですね(当店入庫車両での話)
糊跡が残っている=洗っていない?洗っていても糊跡の異物に気が付かない・・・なのでしょうか?
それで”保護フィルムの跡”(※1)には肝心なところがあります。
この雑学的な話は別途最後に設けておきました。
まずはこちらのアウトランダーの車両の作業を進めます。
車両洗浄と準備
ルーフの洗浄です。
先述のフィルム跡の処理、降雨や走行による使用感でのシミや汚れ、逆算しても登録日からは一カ月以上、登録前には少なくてもメーカー→販社の何日かは経過している等で表現的には新車の割に鮮度が悪いとなっていました。
画像には詳細は映りませんが、汚れもありながらもくすみがあるようです。
特殊溶剤にて反応を待ちながら洗浄。
最低限の下地を確保しました。また、同時に脱脂作業も兼ねてあれやこれやと手を加えておきました。
次はいよいよボディガラスコーティング施工作業です。
ボディコーティング施工
塗布中の写真は撮りませんでしたが、最終的に仕上げ作業などを済ませて終了です。この後お客様へお渡しするまでに(実際に使用するまで)乾燥時間を持たせる事は必須です。特別な例外を除けば新車施工といえど即日の返却等はありません。
最後に完成とお渡し前となります。
ボディガラスコーティングの御用命でしたがHard Barrier X-OVERにて施工させていただきました。完成後もあいにく天候が優れず晴れの下では車両を確認出来なかったのは残念でした。画像より本来のパールホワイト色の発色は美しいはずです。
塗板ではルーフをはじめバンパーの各所、アルミホイールの全ブラック塗装などはお手入れには大変か思いますが宜しくお願い致します。実際に御入庫した時点でホイールのスポーク間隔が狭く洗い難いデザインだなぁ~と実感しました。それでカラーが黒ですから時間もかかりますね。
お渡し時にはメンテナンス用クリーナーをお買い上げ頂き有難う御座いました。
※新車保護フィルムについて
よく、保護フィルムの跡が残っていたなどの話を聞いたり、WEB上で読んだ事が有ります 。
もう少し突っ込んだ話ですると保護フィルムの跡には大きく分けると二つのパターンがあります。
- 一つ目はフィルムの糊が全除去されていなく、一部糊跡が残っていた(いる)という事で、今回の現車はそれに該当します。フィルムの剥がし方にもよりますが、フィルムの端の部分などは残りやすい傾向です。
- 二つ目は糊跡以前の問題で塗装に浸食している場合です。これは粘着剤が浸透、又は塗装の方が反応してしまっている状態です。淡色車でもあるのですが特に202ブラック(トヨタ車主体の話で申し訳ありません)時にはハッキリと目視確認できますので面倒です。
上記のそれぞれのパターン時でも処理方法はありますが、糊跡は簡単です(糊をとれば良いのですから)、それほど騒ぐ事は無いですし、問題視するのであれば販社の作業怠慢でしょうか?後者の方は処理方法の記載は控えます。簡易施工業者などに引用されると困りますのでね。
自動車生産向け製品の保護フィルム(主に白い)はPO素材が用いらています。これは全てのメーカーとは言い切れませんので断言は致しません。例の一つとして主にという表現とさせていただきます(私も全部体験、調査した訳ではないので)
POとはポリオレフィンは樹脂の一種で樹脂材料だそうです。あるフィルムのメーカーさんなどは独自に作って(原材料により各社各々)、表示は特殊PO素材などとあります。PPやPEなどはこのPOを用いて色々な製品にしている訳です。私が身近な素材として似たような商品で思いつくのは農業用フィルムなど農OPの軟質フィルムとか何かですかね(実際に持っています、フィルムだけなので粘着剤は無い)
POについては詳細話はここまでとして、次に粘着剤にはゴム(ゴムそのものではなくおそらく分類上)などが使用されています(これもあるメーカーさんでは)。例えば塗装外板で仕事柄頻繁に使用するのがマスキングテープ、これは和紙などをベースに粘着剤はアクリルエマルションとなります。双方の粘着系の違いについての影響はあまり無いという事です。それは自動車塗装向けの仕様での前提ということで。但し、マスキングテープ使用時は各マスキングテープ製造会社、タイプ別などで粘性や特性、糊跡残度合い、引張強度、塗装時は重ね貼り浮き防止の観点から車両や使用用途により私はかなり使い分けています。
フィルム自体の話はここまでとして、貼り方にはこれを専門に貼る担当者も居られるみたいです。例えば広い面(ルーフやフード)などは両端から二人で引っ張りながら貼るなど。実際フィルムはかなりの伸縮性(伸び~る)のですが、あくまでも塗装保護目的で例えばラッピングフィルムの様に美観までは考慮しません。技術云々より目的や性質上では隙間なく貼る事は不可能、車両の形状からどのパネルでもR状になっているものです。で、この隙間(シワ状)が結構な問題があるのです。メーカーから販社(正しくは販社のモータープール)までの日数、その後の保管日数となれば半日や一日ではありませんね。この期間中に雨が降ったり、夜露があたれば・・・
しっかりした販社であれば(私が居た所はプールに到着日から何日間(在庫日))という数字管理が出来ていました。
※お客様の注文車両ではなく、純粋に在庫車と車両オーダーされた車両と同様にカウントされています。
その隙間に何日も水分が溜まっていれば、良からぬ事が起こる訳です。先に書いた二つ目の事例時はそのような事から手間もかかる訳です。
二つ目の事例は詳細を多少濁しての文書表現になります。それは、私が販社で実務経験してきたからです。勤めていた事から知り過ぎている為、反対(逆)に全部書けない事ってありますね。
まとめ
- 新車保護フィルムは糊跡くらいでは然程問題ではない(糊を除去すればよい)
- 塗装に影響している場合などは問題あり(処理=時間や手間が掛かる)
注意
フィルム跡の処理方法でポリッシャーで磨いてしまう(施工業者等)などはアマチュア以下。
おまけと余談
とある話とさせていただきますが、システム上の話では自動車メーカーが黙って貼っているのではなく、販社の要望(注文)で貼っている。例えば淡色系は上面ボンネットまで、黒系はルーフやトランク部までとオーダーしているとか。参考までに料金も聞きましたが(笑) 各社各々ですから参考までに。
また、今回の車両はミツビシ車、生産ラインから車両完成まで20期間以内です。勤めていた時に良く出た話は車両製造から直後というか数時間や数日程度、フィルムを貼られるとやはり塗装に良い事とは思わないよな、、、、と、 保護と言いながら実際には弊害も生じているし・・・これは一般的に考えてもの心情も含まれます。
因みにPOフィルムの剥がし方にはコツがあります。ある程度の気を遣いながらの勢いをつけて剥がします。優しくは当然ですが恐るおそるやっていたり、何かを気を付けないとと躊躇していると剥がした途中でフィルムをボディに引っ掛けます。そもそも、毎日やっていた経験から保護フィルムを引っかけて傷にした、磨きで修正なんて聞いた事がありません。202専門でやっていた者が言うのだから信用性ありでお願い致します。
保護フィルムの話の内容は経験談ですから他のメーカーは違う、ここは違う等は御遠慮ください。