茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

トヨタ MR2 SW20 塗装ペーパー研磨 コーティング再施工

以前レストア全塗装仕上げの仕上げ磨きとボディコーティングを行ったMR2、再度の研磨とコーティングの御依頼です。

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トヨタ MR2

 

車両情報

平成4年(1992年)式、前回の施工時は2020年、今年で30年目を迎えた車両で、昨今の旧車ブーム、希少性から価値と価格は右肩上がり。
前回の全塗装、当店最終仕上げ+コーティングで塗面の若干の問題あり(許容範囲とお客様の承諾ありという事で記事にはほぼ書かなかった)
更に前施工から約二年という事で、経過に応じてのダメージなども加わります。
この若干の問題と使用経過約二年のケアについて今回お客様から再度の御依頼がありました。

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トヨタ MR2

前回の記事を読んでない方は、車両の情報、作業は↓過去記事をご覧ください。

s-detail.hatenablog.com

御依頼内容

前項で述べた若干の問題とは、塗装後の保管不備により深度のあるシミ状になっていたのです。これは上面、特にルーフとリアフードで浸透も深く、研磨時に完全には除去出来なかったものでした。ただ一般的な目で見ると通常では見えない、見えずらいもの、研磨に関しては深くは研磨。再塗装によるクリヤの膜厚が実際には判らない(簡単に言うと厚くなのか、薄くなのか?)危険を冒してまではギリギリの研磨は出来ないという事で安全性を考えての薄く見えるシミは残しておいたのです。一線を超えない施工作業なのでお客様とも相談の上の結果でした。

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前回の研磨時

今回、お客様からの指令(御依頼)は、”下を出しても良い”=下地が出てもいいよ
塗装屋さんの確認は通常より一回多くコートしている、暑く塗ってあるよ=情報
この指示は極端にクリヤが薄くなっても良い、何よりもシミを完全除去、美観最優先となるのです。また、施工者にプレッシャーをかけずに下が出たら再塗装行きという保険を掛けていただきました。
お客様の環境や心情にはこの車両の何よりも回りの環境からもあるようです。注目度から他の方から見られる、また他の希少車ユーザーからの声掛け等による所もあるらしいです。実際に何処でこれを仕上げたのか?等のお声掛けもあり、その都度「茨城に当店あり」を御説明をされていらっしゃるそうです。
今回の御相談時には状況から(前回の手ごたえと感覚)、結果を導くためにはおそらくペーパー(研磨紙)による研ぐ形になると御説明。答えは”下を出しても良い”=下地が出てもいいよ・・・ですから可能な限り作業を行います。

研磨作業

研磨作業には上面のシミ除去、そしてフロントの接触の跡でアブドーラ・ザ・ブッチャーの額(これを知っている方は結構年配です)の様な傷跡の研磨。他は部分施工で行くのか、全体を再施工で行くのはおまかせの状況判断で、費用等の話は見積書無し、となりました。

お断りしますが、この研磨項が今回の施工のメインです。その為、塗装上の状態箇所の画像が多く(興味のない人は???となるでしょう)しつこいくらい引き伸ばしますのでご了承下さい。

まずは手始めにフロントバンパー部の傷を修正します。
修正と言いましたが上面のシミ処ではない、深い傷ですので少し無理があるのと、手始めのハードルが高すぎたようです(激汗)

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フロントバンパーのキズ

ライセンスプレートの角度調整の取り付けが甘くバンパー開口部に擦れてしまったという事です。

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フロントバンパーのキズ

数回の研磨でここまで、

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研磨中

↑ この後、仕上げ研磨によりほぼ見えない状態へ
最初からコレ↓

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研磨により

この作業中に確認しておいた上面の状態は、

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シミや傷の状態

バンパー部ではこれ↑ 上面のもっとフロントガラスに近い方はシミの浸透が深い。
ペーパーを当てていきます(研磨、切削)

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研磨紙による磨き

上の画像は塗装より背後に映る物を確認、出ているだけで在庫種類の半分位かな?今回の研磨には一般的な磨き作業とは違う事となります。

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研磨紙による磨き

トルクを必要としない部分にはエアーサンダーも使用します。

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ペーパー研磨

研磨紙にはブロック、スポンジパットでの手研ぎ、サンダー、ポリッシャーでの機械と場所や状態により様々に進めます。全面研磨には仕上げのコンパウンドのみで、スポットの拾っていく形。全部研いだ方が早いのですが、一つづつ確実にとついでにブツも拾ってしまいます。

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研磨中

ペーパーを入れた所は白く見えますね。
フロント部のバンパーからフードの仕上げ中↓

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研磨仕上げ

この辺りになると#2000の目を慣らしている辺り、塗面上に何も余計な物が無いに近い。”無い”と断言しないのは塗装に一度研磨を入れるのは磨きというキズを入れている、大きな傷を小さく置き換えている、これを如何に極小さく人の目で見て無いに等しい状態へという事です。

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研磨によるバフの消費

相変わらずの消耗されるバフ、文章や言葉では簡単ですが大いに時間を費やされる。野暮な質問は無しでお願い致します、ペーパーの番手は?などは全ての箇所に於いて現状に合わせていきます。

次はルーフから後部のエンジンフードへ進みます。
ルーフの先端、

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研磨前

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研磨後


そして、

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ルーフの状態

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近距離確認

全除去進行中↓

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研磨後

エンジンフードの画像は研磨後になります。
ダクトが邪魔するので無駄に掛かる作業時間と集中力、一度終了しても透かしたり角度を変えると薄っすらと見えたり、研磨中の余裕はほぼ無かった。

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研磨後

この画像↓で臨場感のみお伝えします。ここまでがペーパーを入れた作業です。

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研磨中

ここから後半ですが、他の箇所(サイドやリア廻り)は前回施工後の日常使用傷などを通常の研磨で整えていきます。また、前施工済みのコーティングも除去する意味合いも含まれます。大事に扱われていても使用、洗車等の摩擦傷は入りますので整えていきます。上面を作業中に全面研磨の方針に決定済み(全体のバランスや色合い、状態を考察して)

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研磨後

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研磨後

全再施工の理由:前回の記事にも書いた通り、そして今回のバフへの塗料付着でご存知のように色味が薄れます(微細、僅か)、塗装した時点、出来上がった時と比較すれば、奥行き感や色味の僅かなニュアンスの変化を感じた為です。部分施工で今回の研磨と前回の仕上げ部の境界を無くす為の処置としました。
次はボディコーティング作業になります。

コーティング作業

特に問題は無いはずです、サラッと保護して終了です。物理上の実膜を有する被膜では無いのでクリアな印象に仕上がります。組成上防汚性に重点を置いたコーティング。

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ボディコーティング中

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ボディコーティング中

乾燥、夜が明ければ完成ですね!

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完成前

 

完成

苦労と脱力感から写真を思ったほど撮っていなかったのですね(汗)
出来上がった車両は一言で表すと当時の3E5/スパーレッドの鮮やか赤が復活。幾分肌の仕上げが違うので反射、映り込みはレベル高し。

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完成

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完成

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完成

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完成

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完成

今回の御注文内容は,塗装上の不具合を全て除去、研磨紙での作業(特に上面)、ボディコーティングは再施工です。
更に、下廻りで塗装が剥がれてしまっている箇所にタッチアップ。塗装屋さんが調色した際の塗料がトランクに入っていました。少し固着ぎみでしたので当店の塗シンで攪拌で何とか復活。車両はタイヤから巻き上げるらしく飛び石の様な状態になってしまうのですね。

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タッチアップ

御案内

全ての車両に適応される施工法ではありません。一般的に新車塗膜(車両製造時の塗装)には極めて特別な理由が無ければ行うものではありません。又仕上がりに関しては、塗装屋さんの塗りにもよりますが、塗膜を大きく触れる=研磨を一から開始できるという事では車両の完成度は上がります。逆に一般車両新車塗膜車はクリヤの膜厚を考慮すると大きくは研磨できませんので中途半端と言っては申し訳ありませんが、劣化やダメージを追っている塗装は仕上がりに不足を感じてしまいます。⇦最後の一般車両の件は一般的な車両を有する皆様が御理解を頂けると宜しいかと思います。