茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

トヨタ クラウンアスリート ボディ研磨コーティング

202ブラックの塗装上の御相談、遠方から有難う御座います。他所での作業歴有からの御相談となりました。

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クラウンアスリート

 

お見積り日から施工日まで約2ヶ月お待たせしてしまいました。大変申し訳ありませんでした。丁度この時期は研磨+コーティング施工の車両が重なり、皆様には大変ご不便をお掛けしてしまいました。

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クラウンアスリート

御相談経緯

御相談と現車確認でお話をお聞きすると燃料屋系のコーティングみたいな施工を先月行ったばかりという事で驚きました。燃料系でも磨いて(の様な)+コーティング(みたい)な施工なので数万円は掛かっているという事です。

具体的な御相談は、施工後シミが目立つという事です。

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塗面上のシミ

お客様は施工後に現車を見て問いただす訳ではありませんが聞いてみたそうです、(シミは取れないの?)
そうすると、「これを取るのは鏡面研磨でないと」
皆さんこれは結構言われてますね(当店御利用歴調べ)
大体言われるのは”鏡面研磨”・・・これは高額(当店の研磨料金設定よりです)
また、よく耳にするのは”ミネラル取り”

私は思うのですよ、傷やシミが取れないのは当たり前、物理的に全部が取れて100%新車と同様などはあり得ないのですから。いかにもお客様が注文した施工では取れません、もっと高額な違う施工法を注文して下さいみたいなやり方は違う。
それよりも、現状物理的に無理なのか、単純に技術が無いから無理なのか、塗面の状況が見えていないし、見ようとしない、見方が判らない、会社の経営方針(施工はマニュアル通り)とかいずれかを言うのが筋かと思います。

ウチは取れないものは理由や理論、又は目安数値を用いる事で可能な限り御説明を差し上げています。

話はさておき、折角一カ月前にお金をかけた車両ですが現車を拝見と確認致しました。また、当店での依頼でも現状施工歴の有無に関係なく御指摘の”シミ”など深度のあるものは残る場合がありますと御説明を差し上げました。後は実際に作業を進めた上で可能な部分、不可能な部分が出る事になります。

車両情報と現状

車両は2016年式 塗色は202ブラック、お客様が持ち込まれた時にはパッと見はキレイです。そして冒頭でもお伝えした通り一度施工済みと言っていいのでしょうか?現車を拝見しての予想通り不具合を見つけてしまいました。

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クォーターパネル

前出のシミの写真もそうですが、軽研磨(得意の)かと思いますがポリッシャーが引きずった打撃痕があります。傷は写しやすいのですが打撃痕は残念ですが室内撮影時にはカメラが拾いませんでした。
クォーター部は最近の車両形状の複雑化から逆R状というのか、どうしてもフェンダ-が膨らんでいますからポリーシャーの当て方が難しいのです。結果磨きづらい、作業者の腕(操作技術など)により、不具合も生じるのです。そもそも、軽研磨の定義が判らないのと基準はどうなの?と、該当車両の打撃痕からは何をやっているのかは不明です。

それから、塗装上の詳細、シミや傷を一つづつ観察する様な見方をすると、汚れを閉じ込めて蓋をした表情が窺えます。

洗浄作業

綺麗なお車ですが溶剤等で落とせるものは落とします。

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エンブレム洗浄前

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エンブレム洗浄中

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エンブレム洗浄後

定番のエンブレム洗浄、そしてベルトモールとドアパネル間などの洗浄、こういう所は汚れを閉じ込められています。

塗面上も可能な範囲で洗浄を行い研磨準備が整いました(この辺りの作業中の写真があまりありません)マスキングもそこそこで、研磨進行時に併せてとなります。

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研磨準備

研磨作業

まず最初は一番のダメージ箇所+打撃跡はクォーターから後部にかけての場所~フェンダー辺り。

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悪すぎる状態

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研磨中

研磨開始から一旦止めて様子を見ると↓

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研磨を一旦止めると酷い状態に蓋をした状態

円状に浮き出てくる、

研磨後は↓

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研磨後

微細な傷やシミは残るが整える事が出来ました。
書くのは簡単ですが、この部分だけで半日以上かかっています。理由は元々悪い状態を中途半端にしてコーティングと称するもので閉じ込めるから。これにより研磨するにも作業が大変しづらくなります。簡単に言うと人が触ったもの(手を加えたもの)はやりづらいのをご理解下さい。こちらの研磨も最初から思いっきり掬う様な重切削してしまえば楽なのです。しかし、残塗膜、研磨量を考慮するとそれは避けたい所。

続いてはドアパネルの研磨例です、

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研磨前

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研磨後

研磨中にはやはり引っかかる、

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汚れも含んでいるコーティング

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汚れも含んでいるコーティング

白いバフがこんなに汚れていて、途中で何度も作業がストップ。
研磨中でも途中で特殊溶剤使用、少し研磨をして汚れを引っ張り出して・・・それから、またポリッシャーで、汚れたらバフを清掃して、交換して。。。これは時間が掛かるよね、すんなり行かないのだから。

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特殊溶剤による洗浄

フロント廻り、

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研磨前

↑ 模様が入っている塗面

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研磨後

研磨後の照明は違えどかなりスッキリした状態。鏡の様になります(鏡面とは言わない)

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フードの研磨中

ボンネットは研磨後には黒が引き立つ変わりようです。

この作業の最後にこの様な事がありました。

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前施工の不具合

後から気が付いたのですが↑の様に指差し写真が多く残っていました(何枚も指差呼称)
パネルの際(要するに各パネルの端)は全てシミや汚れが残っているのです。この状態は逆に見ている方が恥ずかしくなってしまうか?又は笑うしかないのか?蓋をする訳にはいかず、こういうのが一つづつ正しく処理されないから全体の美しさやキレイ感が出ないのです。
次に注意して欲しいのが、この様な部分です。

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補修跡

Fバンパーカバー右周辺は補修塗装がされています。肌で直ぐに判ると思いますが要注意ポイントです。
簡易施工店、業者などではその様な事に気が付かず他のパネルと同様に研磨をしてしまう場合や恐れがあります。結果何も無ければそれで良し(※)かもしれませんが、様子が判らず扱いを間違えばトラブルとなってしまいます。

※見た目は何も無くても、補修塗装に合わせた研磨が出きない場合や、研磨量を考慮していない場合などは、数年後の剥離などのトラブルが発生する可能性があります。

私自身でも施工中にトラブルです、アルコールで真っ白になりました。原因は研磨の正確性が損ねたからです。要は他のパネルと硬度が違い磨き切れていないからでした。塗りが悪いではなく、私が技術を合わせられなかった事がかもしれません。

ボディコーティング作業

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コーティング中

ボディコーティングには塗装に優しいタイプです。塗面上に化学反応におけるクロスリンク、表面に掛け渡した三次元の網目構造(例え)による事で排水性の特性を作ります。一部の一般小売商品で電子機器基盤、精密機器などにも採用などと大々的な売り文句、間違いではありませんが、珍しい物でもなく以前からあったものです。知らない方は目の球が飛び出る程驚くのか喰いつくのか?知りませんが、一般の方でも同様の物やもっとハイレベルの物は普通に買えます(どこにでも売っている訳でないので多少調べる様です)し、問題はその処方※と扱いです。売っていても使い方が判らなければ効果も得られない所か、失敗する可能性は大です。

※処方とは、自身で処方なのか、又は最初から処方されていて(種類も豊富)、その目的に合う物を選択。また、その扱いにはデリケートとなり方法などは専門的となります。

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コーティング中

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コーティング中

完成

大変申し訳ありませんが、全く問題が無い訳ではありません。が、完成とさせて頂きました。私の作業にも至らぬ部分もありますが御理解をお願い致します。

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ボディコーティング完成

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ボディコーティング完成

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ボディコーティング完成

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ボディコーティング完成

まとめとして、車両が入ってきた時点ではシミや傷など汚れまで蓋をする様にコーティング(の様なもの)で閉じ込める手法と理解しています。一言でシミ(状況や種類にもより、除去可能な物)を除去するのにも、正しいプロセスの下に行わないと今回の様な問題が生じます。その他、問題点や施工完成後では、物理的に不可能な物はシミ傷等は残ってしまいます。そして、軽研磨と称して無駄に打撃を与える様な痕跡、深度のあるバフ目傷は復元が難しい場合があります。要するに取り返しがつかない様な塗面を傷めてる結果なのです。考え方や思う事に違う意見もあるかもしれませんが、車両の現状は揺るぎない答えとなります。一言付け加えれば車輛、塗面をどれだけ見えているか?その考察、判断力に長けているかにより自ずと結果は変わってきます。

お客様には大変ご協力と御理解を頂け感謝しております。また、差し入れまで頂き有難う御座いました!遠方からの御来店を有難う御座いました。

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御案内(各お客様)

2021年夏頃から土浦を中心とした県南地域からのお客様が大変多く御利用いただいております。前々年度も書いた事がありますが、塗面上に問題があったり、その判断、又は中古車購入につき各パネルの状況を見て欲しいの御来店は多数。見るだけ判断で施工は無しも沢山ありましたね。これは現状から一番良い解決方法をご指南させていただき、研磨程度では回復は無理や交換等をお勧めさせていただいているからです。お客様から多く頂いている声は「一度確実な方法でキレイにしてから」これにより無駄なお金を使わなくて良いという事になります。また、最後に頂く「コーティングする時はまた持ってきます!」はとても有り難いお言葉になります。