スズキのコンパクトカー”イグニス”へ当店オリジナル{プレミアムコース}にてボディ研磨、ボディコーティングを施工させていただきました。
ご存知の様に”イグニス”という車名は初代スイフトの海外(欧州)仕様に使用されていた車名。余談ですがこの車両の4WD車であればジムニーやハスラー同様”ヒルディセントコントロール”走行制御機能として下り坂の減速制御が出来るシステムもあります。(他社のダウンヒルアシストコントーロールも同様)
※個人的に欲しい機能なので書かせていただきました(ボディコーティングとは全く関係ない話ですが、汗)
車両情報と経緯
車輛は一年落ち(初年度登録2021年)の未使用車、ボディカラーは”キャラバンアイボリーパールメタリック”【ZYL】です。
未使用という事で最も新車に近い車両ですから、これから御使用される最初に保護の観点や普段のお手入れ軽減の為のボディコーティング施工となります。
ボディコーティング施工に関しては、事前に御説明と現車確認(状態確認)により打ち合わせていただき施工内容を決めていただきました。尚、未使用車という事ですがディーラーでの約一年間の展示等により屋外曝露と通常維持の為の洗車などでダメージが0(ゼロ)ではありません。その為塗面確認の上、研磨コースはライトコース(軽微)にて行う事になります(要研磨代別途)。
ですから、今回の施工はボディ研磨+ボディコーティング施工となります。また、お客様が折角の新車に近い車輌なのでプレミアムコースにて、ボディ以外にも各ドア内等施工を御希望されました。
それぞれのお客様の事情や好みで宜しい所ですが、未使用車、展示車、試乗車等は賢い買い方ではないでしょうか?現在新車購入検討されても納車を待たされたり、、、新車に近い、極程度の良い車輌が直ぐに買えるのであれば一考の余地や選択肢の一つとしてアリかもしれません。
車両状態
お客様も納車された時に気になっていたそうですが、各部(細部)の違和感があります。違和感とは未使用車、使用されていない割には・・・??となります。
違和感とは、
上の画像を説明するとフロントウィンドウ周囲、カウルトップ、エンジンルーム各所に汚れが固着しています。付着ではありません、洗えば、、、と思いますが、これがなかなか(笑)、洗剤とブラシで何回か。。。傷を付けない様に洗浄しました。というか、お客様に納車される状態ではないと思いますね。汚れたままのそのまま納車された様です。
お客様も当店入庫までに100km程度の走行と数日間の御使用されていましたが、外観上のポイント的汚れには気になっていたようです。
洗浄中の写真は、
今回のE/Gルームの洗浄はプレミアムコースの為に行っています。通常のボディコーティング外板施工の場合は基本的に作業を行いません。
他に保護フィルム(推測)の糊跡と思われるものもフロントに多数、
これらも除去しましたね。糊跡は粘着質な所へ汚れが付き汚く目立ってしまいます。
次は入庫された時に直ぐに気が付いた箇所。
洗った時か?ホイールキャップの空いている所(鉄ホイールに触った痕)へ接触しているから、その作業の雑加減が判ってしまう(これは意外に目立ちますよ)
余談ではありますがホイールキャップの外し方は、強く手で引っ張って外す(引っ張るのみ)、又はレンチ(マイナス状)やドライバーで浮かせて外すなどがあります。
例えば新車のうちや新しい場合は手で引っ張っても簡単に外れます。ただ気を付けないといけないのは古くなってきた車、劣化がある様なホイールキャップは力任せの外しは裏面のツメを破損する場合があります。中古車の仕事で何千台?何万台?途方もない台数と思いますがこの仕事をしていた経験上から、ツメが破損する可能性は高まります。
そこで私が何十年前からも愛用しているのが上の画像にもチョッと映っているこれ↓です。予備も含め2本あり。
以前は車載工具に標準で入っていたかと思いますが、おそらく車載工具の簡素化や、そもそもアルミホイール標準装着が多くなってきていますね。
今はこういうのは無いのかな?と疑問に思い調べてみると、正式名称”ホイールキャップレンチ”品番09183~の共販でありますね価格は300円前後です。純正部品で売っているのです。
大きめのマイナスドライバー代用で抉るのもアリかもしれませんが、私の仕事では対象物に出来る限り傷を付けない、安全第一ですからね、そしてなによりも使いやすい。
以上予備知識でしたm(__)m
ここまでの各所の汚れを洗浄して、ボディも一旦流して研磨の準備に入ります。
研磨作業
研磨準備に入ります、塗面状況は事前に確認済み。
一応言っておきますが、どの様な塗装でも見る環境は大事です。この様なアースカラーというか淡色では確認するのも一苦労かもしれません。
マスキングは最初に全部行ってしまうやり方と研磨順に同時に進めて行くやり方があります。車両の状態や作業の進め方に応じて方法は変わります。マスキングの役目とは研磨に対して磨かなくて良い部分を保護する事(養生)。というのは誰でも判る事。私は研磨後(パネル毎)には直ぐに剥がしてしまう事を重要視しています。理由はあるのですが、必要以上に粘着系の物を貼っておくことは✕ですね。
肝心な塗面現状を見てみましょう、
近くで見ると、
フードの上面から見てみると、
軽く研磨していきます、
一般的にボンネットなどは目が行きやすいので、可能な事は行おうという意味合い、又はデリケートな新車や新車に近い塗膜は↓のポリッシャーの出番があります。
縦型のポリッシャーを使用していると、簡易系のスクール上がりの業者が喰いついて(噛みついて)きますが、気にしないで下さい。
偏芯系の回転では惰性で二次回転させるのか(惰性、あくまでもフリーなので障害や加圧で回転が止まってしまう)、↑の機材は駆動力を伝達させる為クラッチ機能であくまでも回転を止めないという違いがあります(※独自の表現の為、簡易表現とさせていただきます。また、上写真使用ポリッシャーは一般販売品ではありません)。
当然研磨力に違いが生じます、勘違いされるのは研磨力が鋭く塗面に良くないだろう、、、ではなく、短時間で同量を研磨、また一つの研磨に時間をかければ塗装を労わるだろうも間違いで、無意味な力を与えず素早く処理す事が塗装に最も良いのです。
研磨機の単なる機械の性能面の話ですが、更に塗面の状況(傷の状態、深さ、傷の種類等々)に合わせ使用機材や材料(研磨剤)、処理方法を変えるや組み合わせれば良いのですね。ですから私の所は一つのやり方に拘らずに何通りかのシステムも取り入れています。また、あまり言いたくはありませんが諦めるのも早いです。粘っても塗装に負担を掛ける事になります、そして塗装が劣化や破損等で傷んでいる場合はそれも早めの判断となります。言い方を変えれば壊れているものは直りません、直す方法は再度”塗る”事になります。当然、当店には重症化した車両が多く入ってきます(涙)
とは言いましたが、技術や理論の引き出しは多くあり、各車両個別に状況次第で奥の手を持ちる事もあるのです。
話は逸れましたが、この車両は未使用車という事ですが、外板にはそれなりの傷やシミがある事になります。現車確認時に多少ボディカラーが冴えない表情でした、それには表面の汚れも感じましたが微細な傷やシミが発色を邪魔をしているからです。(結局同様の事をいつも書いていますね)
それで研磨はどうなった?というのは(笑)
↑照明の映り込みの一部分のみですが、全体をこの様なイメージで研磨していきます。注意としては完璧はありませんから微細な残や深く取り切れない(故意的に取り切らない)ものはあります。
次は簡潔に行きます、サイドやリアなどへ、
バックドア廻りの状態を見てみると、
丁度、プレスラインを境に上面を向く、そして反対に角度があり若干下を向く形状です。当然汚れが溜まりやすい(残留し易い)のです、下を向いているから通常汚れは落ちてしまうだろう・・・ではなく、拭き取りが甘かったり見逃しやすくなる形状なのかもしれません。特殊洗浄剤使用でも残ってしまった落とせなかった部分です。
先に述べた様に上面研磨とは全く異なる研磨システムです。状況に応じてです。
研磨は終了として次にボディコーティング作業となります。
ボディコーティング作業
外板部の通常施工のコーティングになります。
いつもの事ながら何も申し上げる事はありません。
問題も無ければ・・・お伝えする事も無い・・・のです。
どーですかぁ~この艶や、新車の様です!等のアピールはありません。塗面を弄る、塗面を最適な状態に、などは既にこの前の研磨段階、更にその前の洗浄等で行っているからです。コーティング一つ(のみ)で物凄い変化や超期待度はありません。
プレミアムコース施工
各ドア内、E/Gルーム、フード裏等々、ボディ塗色がされている場所へ、施工していきます。
フード裏からE/Gルーム内へ吹き付け、
これで全作業終了です!間違っても”これで完璧です”ではありません。コーティングはお客様のお手入れ軽減や補助にしかなりません。勿論、塗装保護という目的もありますが、通常通りお手入れをしていただきます様お願いを致します。
完成
購入時に”未使用車”という事でしたが、ディーラーに置いてあるだけで汚れているものです。ほぼ走行はしていないのですが、溜まり溜まった汚れがそのままでお客様に渡されていれば車両美観は冴えない印象を与えてしまいます。完成した車両は本来の”キャラバンアイボリーパールメタリック”の発色をしているようです。
御注文内容をまとめます、
ボディ研磨ライトコース、ボディコーティングはプレミアムコース。
強いて付け加えるならば各部、各種洗浄は注意深く作業という所です。
御利用を有難う御座いました!!
最後のまとめ、注意点として、
よくこの様な声をいただきます、「艶が~」という方がいますが当店で行っている様な色々な作業を行うから(合わせ技みたいなもの)総合的に高美観を得られるのです。いい加減何かを塗って艶を得るという単純な思考はお止めいただきたい、又はその様な御要望は持ち込まれない様皆様にお願いしたいと思います。