茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

トヨタ クラウン ヘッドライトリペア研磨編

クラウン200系ヘッドライトリペアの御相談

 お電話を頂き早速現状確認とお見積りさせて頂きました。
お車は既に約10年経過、ただ、現在まで市販品でのお手入れや簡易施工業者(※)等での施工歴は無しという事でした。

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クラウン ロイヤルサルーン

 ※簡易施工業者とは・・・簡単に作業を済ませるので価格も安く施工時間が短時間、更にご丁寧な業者さんは自宅にまで来て作業してくれるので手軽に頼めます。主にガソリンスタンド、量販店など研磨は表面(上っ面)、仕上げはコーティング剤のみの選択が多いのではないでしょうか?店舗によりですが当店のお客さんからのお話しでは最も早くは45分(GS施工例)、他の店舗例では長くても数時間程度とお聞きします。

 御相談から仕上げ方法は「樹脂専用クリヤ塗装」となりました。

施工前の作業や状態

 ぱっと見、正面から見ると透明度があります。ヘッドライト形状から地面に対して垂直に近い面は劣化が遅く、上を向いている面は劣化が早く醜い状態となっています。長年(約10年)の使用環境に於いての劣化としては多くがこの様な症状となります。

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上面の黄ばみ。

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 ハードコート層が破壊寸前の症状。

 車両をお預かりする前に確認をしています。
 ヘッドライト脱着しての単品お預かり時はヘッドライトに集中します。今回は車両に付いた状態ですので最低でもライト廻り、又はF廻りも確認もします。


 ライトの取り付け位置は正常か?フェンダーとの隙間に違和感が無いか?バンパーなどBP歴の確認も(多くはありませんが修復塗装の質によりマスキングテープの脱着だけで塗装が剥がれる事も有り)

 そして、クリアランス、又はレンズエッジ裏側の汚れ(写真参照)も気になる所です。

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 凄く細かい事で申し訳ありませんが、作業上これも邪魔なのです。
 汚れが酷いとレンズエッジ裏側から見えるので、研磨作業上クリヤにしておきたい所です。そして、少なからずクリヤ塗装時にミストが入り込み汚れも閉じ込める可能性もあるからです。車両に取り付けた状態では作業上防ぎ様の無い事ですので事前に対応も考えております。

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洗浄中

 以上の事からマスキングを始める前に洗浄しておきます。
 レンズ表面のみのリペアとして単純に考えるか?その周囲や全体まで考えて作業を行うかの違いなのです。

研磨作業

 ヘッドライト廻りにマスキングを施し研磨作業を開始します。

 この時点では塗装に対応するマスキングではありません。ヘッドライト廻りとエンジンルーム、ラジエターグリルが複雑な形状で入り込んだ研磨紛が取りずらい場合のみのマスキングです。

 当店の「樹脂専用クリヤ塗装」のマスキングはトータルで2~3回行います。

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研磨は#〇〇番?

 以前も書いていますが初期研磨は??(笑)

 巷の一般的に言われているものは当店には通用しません。少しだけ企業秘密を述べると写真で削った部分とそれ以外の研磨は#番手は2段階の差があります。この様な方式でも研磨のムラ等は発生しません。

 作業を何時間と進め、およそペーパー研磨が最終に近い頃、微調整とやり直しを行いました。やり直しとは修正出来る可能性があるのなら何工程か戻る事です。照明の当て方や見る角度により発見する事も多くあります。

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スポットでの修正

 そこまで細かいの? と、思われるかもしれませんが、今回4回の修正(汗)で、この後塗装前に更に2回の修正(大汗)
 作業が下手なの?? と、思わるかもしれませんが、作業者は機械ではありませんので「仕上がり優先」の為にという事を御理解をお願い致しますm(__)m
 
 ポリカーボネート素材(以下PC素材)のハードコート層を完全剥離した時点で、素材そのものの素の状態を扱っております。それは大変デリケートでクロスで一拭きしただけで微細な傷が入ります。
 デリケートな素材に研磨紙やサンダーを当てている作業なので難儀ですし気を遣う訳です。
 
 因みに屋外で磨いている業者はこの様な傷は見えません。コーティング屋の意識で言うと白い車を屋外で作業している様なもの。白く光ってしまって眩しく微細な状態は判らないでしょう。

この為、作業時間、日数を考慮すると施工価格に利益性はあまりない事がお判りでしょうか?実はヘッドライトリペアは採算性が無いので積極的にやりたいと思っていません。(施工店も採算性を考慮すると簡易又は準簡易施工が多くなってしまう一つの理由かも?)
 
 ですが、当店を訪れるお客様の多くは、過去に簡易施工を何回か経験したり、ご自身でペーパー研磨を施し思ったような仕上がりにならなかったり、、、過去のエレメントが違うにしろほぼ全員が可能な限りの長期耐久性(※)を望んでおられたり、施工の依頼基準の条件にあるのです。

 従ってお客様の御依頼があれば当店も対応しなければという半強制使命感みたいのもあるのです。幸いにも過去と経験に「正確な理論と確実な作業」を学んで来た事から対応できるのかもしれません。

※長期耐久性とは・・・御相談時には大方の目安で表現と御説明、御案内を差し上げております。何年の耐久性が有りますとは言い切れませんのと保証等は御座いません。使用環境や条件により全て一律に明確な数値を示す事が出来ません。また個々の未来の予測等も不可能です。施工商品の性質上常識的範囲で御理解をお願い致します。

 

 で、突然ですが研磨終了です!!

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ヘッドライト研磨後

 研磨のみの状態になります(塗装仕上げはまだまだ先)

 研磨の仕上がり感等のコメントは当店から無しで画像が全てです。それよりも当店からは「考えられる作業は全部ヤル」というのに固持しています。ここも大事な事なのですが、やってもダメという例も多々ありますので御理解をお願い致します。

 ですが、この状態でしたら高耐久のオーバーコート処方(塗装やコーティング、スチームと選択は別として)を施したい所ではないでしょうか?

 一般的にスチーム系は「これまでにない透明度」等を謳い文句にしていますが、一般消費者様は真に受けては困ります。全部を否定できませんが【売る側の強調セールス】です。多くはクリヤ塗装やコーティング、UV照射系などと比較した文句を並べますが、その施工店やメーカーが各種の実施工をしてるかと言うと?となります。それでなくても、これは売れるとスチーム系を始めるにわか業者が数え切れない程の大賑わいです。

 実の所どうなの?

 となると、多種の実経験(施工法や種類)、施工数、が大事かと思いますし、その様なお店探しも重要です。

 当店では「透明度」に関してはそれぞれのライト個体の状況により一概に何が?とは言えません。

 ライト個体の状況とは・・・車種、ヘッドライトユニットメーカー、経年数、劣化状況とあらゆる相違からという事です。因みにある年代(製造時期)の劣化症状パターン特有の違い、ヘッドライトユニットメーカーのハードコートやPC素材の硬度の特徴などもあり、それらの組み合わせでの劣化症状やリペア作業はある程度知識や経験が必要となります。

 施工法の違いや透明度等の仕上がり感は、多くの実施工歴から塗装だから、スチームだから、、、いえいえ違います!どの様なリペア方法でも正しく施工するのと、個体により向き不向きや、症状により有利な方法を上手に利用選択をするのです。

 ここまで長く書くとお判りかと思いますが、何だから「透明度が・・・」には各種施工法だけではなく研磨方法にも大きく関係する事になります。

 ※当店は樹脂専用塗装、コーティング剤、スチーム系を実施工しております、申し訳ありませんがUV系は範疇外となります。理由は簡単で詳細はお問合せ下さい。

 

 反対側(左)ライトも作業します。

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ヘッドライト研磨中

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最終ポリッシャー研磨

 当店はボディ磨き+コーティング店です。その為沢山のポリッシャー・サンダーがありますし、どれを使用しても同等に仕上がるのですが、仕上がり優先での使用にはルペスのミニポリッシャーが出番が多い感じです。

 注) ペーパー研磨からの流れからや、使用バフやコンパウンドの違いで施工者や施工店の考え方は異なります。

 研磨終了、注意点とお願い

 今回比較写真を作ってみました。
 比較対象の参考にと少し時間と手間を掛けました(汗)

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 上面から見ると、すりガラス(曇りガラス)と透明ガラス位の差があります。
 結果としては研磨で除去出来ない不明な部分(大きさ1mm以下)や、内部の曇り汚れがハッキリと見えてしまうなど、細かい部分、微妙な部分も有り。この様な事から当店では「新品の様な」という表現は一切しておりません。また、部分的に経年感(くたびれ感)などの理由から到底新品にはなり得ないのです。セールストークに強調を持たせるより施工者自身が厳しい目で見て、大げさな表現より正確な事をお伝えする事にしております。
 正確な事とは作業をすれば多少なりとも良くなるのが当たり前で、逆に除去出来なかった不良や、何か引っかかった部分を伝える事になってしまいます。イメージで施工商品を売るなら当然良い所の強調でしょう。悪かった部分をカバーする位強調しても良いのかもしれません。
 当店は売れても売れなくても構わない位の構えですので、それよりもお客様が数万円の施工代金の内訳の施工内容を正確にお伝えする事になります。

  次に別記事で塗装編を予定していますが、研磨の段階で施工御依頼時の注意点などが御座います。

 1.ヘッドライトリペアの御依頼はヘッドライトを外してお持ちください。今回の様に外さないままの従来の施行も出来ますが、エッジの作業に不足や不安が生じます。当店の施工方法はエッジから裏側に回り込む部分にも微妙に手を加えます(樹脂専用クリヤ塗装仕上げは特に)、理由はリペアの精度、耐久性に関係するからです。僅かな部分、微々たる部分の効力を期待、トータルで仕上がり美観、耐久性を最大に生かす事にライトを外してというのを推奨致します。

 2.それぞれのお客様のヘッドライトが美しく変身するとは言い切れません。多数の施工経験がありますが、毎回、毎回と多様な劣化症状や復元に際してパターンが違うのも事実。こちらのクラウンのお客様は客観的に見た時に、良くなったと判断させていただきます。

 3.他の施工店などでも謳っておりますが、ヘッドライト内部から見たレンズ内側の曇りや汚れなどは対象外です。当然ですよねヘッドライトを分解(殻割)しないと手を付けられません。もう一点ライトを点灯した時の様子(施工後の)も対象外です。これを作業中に対応するとなると作業中には連続点灯や消灯と繰り返したり、E/Gを掛けっ放し等と大変な事になります(研磨時間はそれでなくても長いので) 

 

 以上、御理解と御協力をお願い致します。

 

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