塗装前の脱脂作業、再マスキング
ヘッドライトリペアの塗装とは?
劣化したヘッドライト表面(ハードコート層)を研磨・完全除去し新たにポリカーボネート(以下PCと称する)素材専用塗料で新たにハードコート層を構築します。
現在、ヘッドライトの製品上のハードコート層(注)は経年(使用環境等)により劣化をし。それを完全に修復する方法はありません。
(注)新車やメーカーから出荷さるヘッドライトはあくまでも製品(工業製品と呼ぶのだろうか?)の物なので、同じ物を同じ製造工程を踏まない限り再生や再加工は出来ません。
ネット情報で偶に出くわすのが(簡易施工店)、新車時のヘッドライトコーティング剤を入手や試す等の情報(爆笑) そもそも、この近代日本の工業品製造時で手塗りでペタペタとコーティング剤を塗っていますか??考えなくても判りますよね~
例えばそのハードコート剤を手に入れたと仮定してもそれは工業製品の材料です。そして、その材料とは塗料と呼びます。用途別の正式名は機能性塗料といいます。種類によっては低温焼き付け、蒸着、UV硬化系など定着される素材によって分かれ、基本的に製造や工業材料です。それを定着、密着する技術、乾燥、再施工は一個人では不可能です。仮にその液体を付着したとしても正常に定着・機能もしません。ヘッドライト製造時はレンズ(部位的にはカバーとも称します)の処理をする会社があり、アニール処理から専用のPC用UV塗装、照射(注)をします。正確にはレンズやリフレクターなどパーツとして扱われ、それを組み立て加工しユニットが完成されていると思います。
(注)製造(レンズの)ですからライン上でロボットがメインで作業します。今回は詳細を割愛しますが、近日中に当店WEBサイトでのヘッドライトリペアページをリニューアルした時に多少触れたいと思います。
この様な事から簡易施工店や集客したい業者が、大げさな情報や信用性を問う記述もありますのでお気を付けください。
脱脂作業
研磨が終了しましたので脱脂作業となります。
塗装準備の為に車両への再マスキングも同時進行する形で多少時間を要します。
脱脂時の殆どが一度マスキングを外してしまいます。研磨紛等もありますので周囲も含め洗浄してしまいます。
脱脂作業の詳細は以前違う車輌の記事で書いていますのでそちらを参照ください。
s-detail.hatenablog.com その時に書き忘れていましたが、手袋必須となります。「PC素材には優しく」なんですが人間には多少難がありまして、「皮膚の炎症」というか人の皮脂分も除去されちゃいます。
新たなネタとして脱脂方法には「安全第一、正確な完全脱脂」という方法を実施している訳で資料が沢山提供されたり、自己で収集したりとファイリングされています。この様な(↓画像参照)物が何十枚とあります
何と言ってもPC素材に対してアックしてしまってはいけません。アタックとは攻撃という意味です。リペア作業をしているのに壊してしまってはという安全性です。そして、塗装をはじめ各種を上から施工する為には油脂分は大敵となるのです。
マスキング作業
ヘッドライト周辺から車両へのマスキングを行います。
塗装ミストに油断する事は出来ません。この様にマスキング~塗料調合~他の準備となって実際に塗装開始するまでには一時間程度は要するのかなぁ~?想像して欲しいのですが5分や10分の作業ではないのはお判りかと思います。
塗装と乾燥
いよいよ、塗装を行います。以前にも書きましたが規程の膜厚は最重視です。
とは言っても、数回に分けて塗装していきます。ヘッドライトは車両から比較すると小面積の部類になりますが間隔を置いて塗り重ねていきます。
そして乾燥。
他の記事で塗装や規程膜厚などを詳しく書いていますのでそちらを参考に。
最終仕上げ
指触OKになりましたら、肌を調整します。
真っ白くなってしまいますが、お肌を整えてあげると更に良くなります。
完成です。
比較写真を作ってみました。
施工前から施工後のクリヤ感を取り戻すと、今まで見えなかったレンズ内側の曇りや汚れも浮き彫りになります→見えてしまうという事。
また、厳しい目で判断すると、あくまでも人の手による作業ですから製造品(新品)比較では精密さが劣ります。
当店からのお願いはあくまでもリペア施工という所を御理解していただきたいと思います。
最後は屋外で撮った写真です。文章より画像を多く載せました。
最後は完成車両、お渡し前の日中に撮っておきました。お客様都合で夜間の引き取りを御希望されました(21時頃予定)
この度は御利用有難う御座いました。
当店ではMAX23時頃まででしたら夜間の対応も可能です(通常営業時間は18時まで)事前に御相談をお願いする形となります。この為、平日はお仕事の関係などで入庫やお引き取りが夕方~夜間になってしまう場合には御利用し易くさせて頂いております
(代車有、無料、ガソリン満タン貸し出し、返却時に満タン返し)
これから、ヘッドライトリペアを御検討されているお客様へ申し上げる事が御座います。リペア施工方法には塗装やスチーム系、コーティング剤類などありますが、メリット・デメリットがあります。
上記の施工法を当店は実際に取り扱っており、十分承知をしている施工店です。御相談を頂いた時に実施工実績からお客様のお役に立てる様な取り組みを意識しています。
最近の流行に飛びついたスチーム系施工、一定の理解と危険がある事はご存知でしょうか?
施工直後はどの様な施工法でも完成度は高いのは当たり前ですが、経年後のダメージに取り返しがつかない例も出ています。
ここでは詳しくは御説明しませんが、複数の要素により再ダメージに重大な事が起こり得る例も既に出ています。
判り易く言って言葉を選ぶと「施工には向き・不向きがあり」、要は施工前の劣化状態、製造年と車種、ヘッドライト製造会社、他の組み合わせとなります。
一般消費者の方へ・・・スチーム系の溶剤は?と思っている方やブランド名が付いたもの・・・などと仰られていると既に広告や宣伝に巧く乗っている方です。売り手=買い手がなりたっています。貶してるつもりはありませんが褒めている訳でもありませんm(__)m 客観的分析です。
さて、スチーム系の件は程々にしますが、ヘッドライトリペアの「樹脂専用クリヤ塗装仕上げ」方法は低価格とは言えません。簡易施工は数千円~1万円前後は低価格、短時間施工で手頃感がありますが、研磨の不正確、スチーム系経年後の危険性への不安、コーティング剤系の非耐久性などが伴います。
ここで、「樹脂専用クリヤ塗装仕上げは高耐久性でお勧めです」と謳ってしまうと、一般的な広告や表現方法となってしまいますよね?当店は違います!!
また、この車両の研磨編でも書いている「施工代金の内訳の施工内容を正確にお伝えする」等の事も有りますのでそちらの方もお読みください。
ですから、当店は施工実績例を解説しながらブログ記事に書いております。その施工法や理論を御理解の上、気に入ったり、判断された場合のみお客様が御利用すれば良いのではないでしょうか?
以前、旧ブログだったか書いたことが有りますが「たかがライトされどライト」。重要なんですよねヘッドライト。難しい作業なんですよね透明の素材への作業は・・・
毎回なのですが、大変気を遣う作業でして神経がすり減ります(冷汗)
以上ですが宜しくお願い申し上げます。