茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

トヨタ プリウス(30) 202ブラックボディ研磨

30型プリウスのボディ研磨のみの御用命です。ボディカラーはソリッドブラックの202となります。※この記事は大変多く読まれている記事になります、注意事項としては当店では研磨作業はボディコーティングの付帯作業(別途費用必要)と捉えています。その為、研磨のみの御注文はお受けしていません。

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トヨタプリウス202

 

注意事項:現在、研磨のみのお問合せや御注文はお受けしていません。

御注文の経緯と車両情報

WEBで検索され、初めて御利用されるお客様でした。同県内にお住まいという事でしたが、県境というのでしょうか?車で一時間以上かかる遠方から有難う御座いました。

お客様は中古車(平成26年式で当店施工時は新車から5年経過)で購入されて間もないという事でした。お話を伺うと買う前の車を見た時は何も思わなかったそうですが、購入後洗車を行うと太陽があたると”ギラギラ”感が凄く気になってしまうという事でした。お客様の話や感じていたのは納車前に磨かれてこの様な事になってしまったのか?、、、という事です。

お話しを伺いながら現車を確認させていただき、症状としては人為的に磨かれているのは判りました。そして、技術的には素人、簡易的、中古車の簡易仕上げ磨き、腕の悪い板金塗装後の磨き程度のレベルでした。しかし、広範囲というか車両全体ですから、この時点では詳細は判らずでした。現状、”ギラギラ”というのはいわゆる”オーロラ”又は”ホノグラム”という症状ですね。

お見積りの御提示と同時に作業内容は全体を研磨し、濃色車の仕上げ研磨を丁寧に行う事により改善できる事に御説明を致しました。ご注意して頂くのは深い傷、シミ等の研磨でも対応できない部分もある事、また、これだけ全体に研磨痕があるという事は別に何か問題があった可能性もあるという事です。お預かりしてから強照明、塗面を確認出来る照明、下地洗浄作業後に何か発見する事があるのです。その様な場合は可能な限り対応させていただきます。

※技術や作業が簡易的施工店もありますが、GS等の屋外や屋根程度では塗面を確認出来ません。あくまでも屋内の閉鎖的空間での照明ありきです。

研磨作業

まずは冒頭の一枚目の写真もそうですが、下地洗浄後の写真を数枚見て下さい。

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トヨタプリウス202

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トヨタプリウス202

下地洗浄だけを行いマスキングを行っている時に撮ってみました。
おそらくですよ、過去に当ブログを何回か見ている方は判ると思います。キレイに見えますし、程度がいいじゃん!と感じると思います。

光の当たり方、光量などにより、この状態では一見状態が良く見えるのです。
そして、マスキング作業中に塗装の状態も事細かく観察していきます。

それでは、研磨を行いながら現状も確認していきましょう。
まずは右サイドパネルです。

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研磨前

通常の経年による使用傷ではありません。白く帯状に見えるのは中途半端な磨き後の症状です。
なぜこの様に見えてしまうのでしょうか?
キズ(磨き切れていない)は一本の線が揃って複数の集合体です。これはポリッシャーによる磨こうとしてついてしまう傷なのです。機械で回しているから同一方向に揃っていたり深度も比較的揃っているのです。そういう場所に光を当てるとこの様に反射して見えてしまうのですね。

キズを消すために傷を付けてしまうというのは、理論上間違っていません。が、研磨剤などの粒度を変えたりして最終自分が付けた傷も消していき仕上がるのですが、その仕上がる前に終わってしまっているのですね。
いわゆる中途半端な作業という事です。

それでは、なぜこの様な作業となってしまうのでしょうか?
考えられる原因を挙げてみましょう。

①磨きを簡単と捉えている方に多い、研磨の理論不足。
②見えていない、見ようとしない等、見る環境も無い、見るという概念・理論も無い ※当店では見方も判っていますし多種の強照明を当てていますよね。
③時間や手間を掛けない、ある程度良く見えれば良いという考えもあり。作業料金の高低も含む。
他にもあるかもしれませんが、主要原因は上記が多々あり。
付け加えると、この様な症状を和らげる、または、誤魔化してしまう傷を埋める研磨剤を仕様する業者や板金塗装業者もあります。これは数回程度の洗車や降雨程度で落ちてしまいますので、その時は艶があって隠れていますが短期間で元に戻ってしまいます。

では、実際にこれを直していってみましょう!
正しくは症状を見て深い研磨から再スタートなのか仕上げ研磨で修正可能なのか?それとも併せ作業なのかは一つの作業毎に時間をかけて行っていきます。
で、研磨後になります↓

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研磨後

多少角度などや焦点がずれていますが、結果は画像の通りです。
最悪だった”鳴門の渦潮”の様な白い帯状(失礼)は無くなり、残るのは深度の深い傷のみになりました。

右サイドの状態はリアドアから後部にかけてのBP歴あり、クォーターパネルからルーフサイドでのボカシ塗装跡というのが判りました。※お客様の名誉の為に書いておきますが修復車(いわゆる事故車)ではないのを確認して購入しています(修復車とは骨格にあたる部位の損傷、交換等がされている場合です、詳細は割愛しますがチョッとぶつけて塗装位では修復ではありません)

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ボカシ塗装部

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ボカシ塗装跡

理論と見識、観察力、経験によりよく見れば判るのです。そして、それらをお客様に伝えるのも当店の仕事です。以前にも書きましたが”見る事も仕事”なのです。

次に左サイドですがフロントから3パネルを補修されているようです。左右併せてサイドパネルのオーロラが激しい所はどうやらペイント後の研磨が強く、中途半端な状態だったという事です。上面パネルはほとんど無いのと補修跡はありません。左サイドの中央付近の酷い状態の場所を見てみましょう。

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研磨前

バフ目が深い印象です、また機械の当て方が”ゴリゴリ”という感じです。

この場面では今回大きく研磨を入れていきます。通常の比較的軽中度の症状では無いからです。

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シングルポリッシャーによる研磨

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シングルポリッシャーによる研磨

理論的に正しく研磨を入れると、ある程度バフ目も揃います。渦を巻く様な事はありませんし、均一性がある磨きだからです。

ご注意!
ネット等でシングルは塗膜が減る等や磨き過ぎてしまうなど、書いてあるのを目にします。書いてあるだけで鵜呑みはいけません。塗装の状況により、作業者が研磨量を調整するものです。機械は何を使っても研磨剤、バフ種、操作に関しては面圧、当て方(角度)等々、何と言っても塗装の状態により研磨量を考慮出来れば作業者の技術力だけです。当店ではシングル、ダブルアクションポリッシャーを状況に合わせて使い分けています。以前から言われているのは、最近始まった”にわか簡易施工業者等が”ダブルのみ使用で偏った意見や数少ないアピールポイントとして発信する場合が多い様に見受けられます(全てではありませんが)
何故ダブルのみか?
答えは易しい(比較的安易な扱いやすい等、数日のディティーリングスクール)のでしか経験が無いからです=経験が少ない、技術の引き出しの応用力の乏しさでしょうかね。

さて、この場面の研磨後半ですが、

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シングルポリッシャーによる研磨

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シングルポリッシャーによる研磨

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シングルポリッシャーによる研磨

という事で邪魔な物(キズ)がほぼ無くなってくると、鏡の様に映りますね!
シングルの後にダブルアクション(ルペスではない)で仕上げですよ。
因みに多くの経験をさせて頂いて、以前、同パネルのシングル、ダブルでの研磨実験時に塗膜量の残は同数値という結果も出ています。研磨後の仕上がり感も変わらず、変わったのはというか違いは作業時間となります。数値とは計測機による数値ですから、偏屈な理論ではないし、あくまでも数字で表す。職人の勘とも違う絶対的数字です。(当然職人意識はありますし、作業中の専門的応用等を駆使しますが、お預かり中の閉鎖的空間での作業人の中での話。よってお客様には判る手段と言うと数値、物的変化です)

当然、シングルは早く、ダブルは多くの時間が掛かります(方法にもよりますが) 要するに現状の塗膜状況とそれに合わせた研磨作業のプロセスが判れば、それに応じた機種選考も一番適した物を、、、となりますね。

研磨量の見込み(現状の把握)を前もって判れば、それに対して有効な手段を用いる、すなわち、この場合ダブルアクションで時間を大きくかけ熱を抑えられない、掛けてしまうならシングルで短時間で済ませてしまう。この場合、研磨では切るという表現をします(切削の切です)研磨量の見込みに対してスパッと切ってしまう様な研磨表現ですね。

勘違いはいけませんので、何でもこの様にハードな磨きを推奨している訳ではありません。塗装状況の難易度や困難な場合はこの様な研磨も有りますよ・・・という事ですね。ケースbyケースと多種多様の引き出しからくる研磨方法です。大事なのは研磨後の一時の仕上がりより、残塗膜(クリヤ層)の確保による安全性や数年後の塗膜耐久性です。

そして、フロント廻りも写真を撮っておいたので少々ご紹介します。
フードも順調に磨き、写真の残すは仕上げ研磨位でしょうか。

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ボンネット研磨中

このあと、バンパー廻りを、、、、
バンパーは樹脂製とはご存知の通りですが、

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研磨前

 結構深い傷もあるようですが、

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研磨中

↑ の様に磨いていきます。

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研磨後

良い結果と言えるでしょう。

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ボディ研磨

この様に全体を研磨していき完成へ向かいます。

文章と写真では研磨中の一コマでしかなく、全部を紹介するのには限界があります。全体の流れというのは洗浄や溶剤による下地作業を経て研磨となります。数日を要するのですが、研磨というのは簡単に言うと粗い研磨(初期研磨)~中間研磨~仕上げ研磨と同パネルを3回磨きます(濃色車)
その様な事から数日間の作業工賃として価格は設定しておりますので御理解をお願い致します。

まとめ

研磨の要領や理論等が長すぎて大変失礼を致しましたm(__)m

お客様メインのブログに戻しますが、完成後にお客様に確認をして頂いてお渡しです。

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プリウス 202ボディ研磨

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プリウス 202ボディ研磨

屋外でも写真を撮りました。

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プリウス 202ボディ研磨

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プリウス 202ボディ研磨

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プリウス 202ボディ研磨

 

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プリウス 202ボディ研磨

お客様は研磨のみの御依頼で、以降のお手入れは自身で行いたいと仰っていました。
ご自身で小まめにお手入れされるのも、悪い事ではありませんし普段の楽しみや気が付く部分も多くある事でしょう。202ブラックというカラーの特性を御理解しながら向き合えば問題はありません。
洗車やクロスで一拭きでも傷は入るものですが(日常使用傷)、特に濃色車はどうしても目に入ってしまう、見えやすいので御理解をいただきたいと思います。

購入後の納車前に磨かれたのか?板金塗装歴があったのでその際の磨き痕なのか?結論としては確実な判明は出来ませんが、多々の根拠や要素があったのは今回お預かり中に判ったという事です。


今回は遠方から御来店ありがとうございました、お預かり中にはパンクするというアクシデント、そして差し入れまで頂き、初めてのお客様とは思えない濃いお付き合いを頂きました。

また何かありましたら宜しくお願いを致します。

追記

当店(私自身)はT社ディラー勤務にて濃色車選任(特に202)を過去に経験しております。ですから現在202が入庫すると「入ってきたか~(汗)」と思いながらも、大好物♪というか理論や作業の工程は判っているつもりです。

今回のブログでも一切書いておりませんが「どうですかこの艶!」「新車の様にに・・・」はありません。もう一点、お見積り時に多くある質問ですが、「この傷は消えますか??」というのは浅い傷は研磨で消えますが、深い物は難しい場合があります。
塗装という僅かな厚み、限られた研磨量から、私たちが出来る事は微々たるものです。その為、想像以上の大きくダメージを受けてしまった物などは、手遅れや処方の範囲も限られてしまいます。

過去に当店入庫した202カラー車で、粗い研磨でガリガリにされてしまった車両があります。新車時にその様な不良作業を行われ、お客様は5年も知らずに乗っていたのです。再コーティング時に当店へ入庫し修正を試みましたが、残塗膜の関係もあり修正不可という結果もありました。

作業に対して可能な限りと対応をさせて頂きますが、出来る事、出来ない事とありますので御理解と御協力をお願い致します。

誇大な広告、キャッチフレーズ、抽象的(具体性が無い)な表現等は無し。
理論に基づく、作業と、対応を重視しております。

常識的範囲でのお付き合い(作業御依頼)をお願いしておりますの宜しくお願いします。

202カラーのマメ知識

カラーの特徴と過去情報

情報202カラーに限らずですが、現在水性塗料(新車塗装)が主流です。私達長い経験があるディティーラーは以前の溶剤塗料に対しても作業経験を積んでいます。経験上記憶を辿るとT社勤務時に丁度塗料が切り替わる時期がありまして、30プリウスやハリヤー、ヴァンガードなど202設定車種は同一車種でも塗料の違うものがありました。簡単に言うと製造時期で変わっています。よく覚えているのは昨日磨いた202ヴァンガードはクリヤ無し(溶剤系)で今日の磨きは水性塗料でした(驚)なんて事も(笑) 製造時期もあるがモータープールでの在庫期間により混在もあった事でしょう。
昨日の磨きはクリヤ無でバフが真っ黒!今日は水性で少々硬くバフが黒くならないよ~でした。

水性切り替え時期は工場、カラー、車種、塗料種類により様々です。あくまでも私が在籍していた販社での経験での話です。薄い記憶を辿るとメタリックベース等や工場やラインによりもっと早い時期に切り替わっています。今回はソリッド(202)の話と捉えて下さい。

あくまでも経験談ですから正確性に乏しい部分もあり。

メーカーの人間はソリッドブラックを磨けない?

以前から気になっていた情報ですが、ネットで見かける202ブラックはメーカー(トヨタと言うが製造元工場を言っているのか?ディーラーなのか?)の人間は磨けないと謳われている事。

答えは×です(私の意見です、メーカー工場を指してです。ディーラーの話は後述します)

メーカー、T社での自身が身を持って、専門的選任での目で見てきたことは?
完成車両で塗装に問題があった場合、販売会社には出てきません。修正する事にはしっかり出来るシステムがあるらしいです。私自身が駆けだしの頃、〇〇〇工場、〇〇〇工場はこの〇〇研磨システムでという事で、同様の技術やシステムを勉強(当然直接の指導を受けています)

前途の販売会社に出てきませんというのは、私一人での4桁施工の内不良車が一台も無いという現実でした。

お客様に渡る段階で不良(キズ)が見受けられる(この話題とは逸れるが)時は大概は、輸送中や販社での段階となります。

最終お客様に渡る段階や、既に数年乗られて再コーティング磨きなどはそれぞれの販社により様々です。技術を持った人が在籍しているのは少ないでしょう。また、他への委託となる事でしょう。

参考までに約二年前に茨城県内T社(私が居た販社ではない)の営業さんが当店へ来店、

私) 黒い車は傷があった場合、納車時に誰が磨いているのですか?

営) 目の前がモータープール(大きいから想像で判りますよね)だから、納整に磨いてもらっています。でも、その部分がギラギラと光ってしまうんですよね・・・

という事で納車時には苦労しているとか。

一応言っておきましたが「当店(私)は磨いてもギラギラしないですよ!」とね。
毎日やっていましたから(笑)

 

 

ネット情報、鵜呑みはいけません。書いてあったから、、、等は危険です。
その情報は正確ですか??
そうですね~ もっと客観的にと言うか、他の意見や経験談等も参考にされて下さい。

注意事項:現在、研磨のみのお問合せや御注文はお受けしていません。