30プリウスのヘッドライトリペア、仕上げ方法は新規採用のコーティング剤。塗装方式に比べて施工価格を抑えられます。2020年度の施工です。
ご注意ください!現在(2021年3月現在)、ヘッドライトリペアの単品施工、又は諸条件に合わない施工はお断りしています。
少し過去の施工例となりますが(2020年後半)、中古車販売、整備工場様からの御依頼です。基本的に業販は行いませんが(2020年度実績数件のみ)、信頼が出来、お世話になっている業者様のみで条件が合う場合とさせて頂いています。
車両情報
2013年式のプリウスです。施工時には新車から7年経過です。
劣化状況
精悍さはないのですが、最悪な状況や手遅れ等は感じられません。至って平均的な経年劣化という印象です。
次は屋内で見てみます。
黄ばみと白濁の症状です。ポリカーボネートの透明感が無い大きな原因は無数のキズです。確かに紫外線や他の外的要因から劣化はするのですが、自然に劣化する事に加えて洗車機使用によるブラシ等の摩擦はそれを促進したりしてしまいます。
その他、症状からハードコート層が部分的に剥がれているなどはありませんので、表面上が劣化している感じです。
研磨作業
車両は綺麗な状態で持ち込まれていますので、早速ライト周辺をマスキングを行い研磨作業に入ります。
ユニット内部も見えているのでそんなに悪くない印象を感じてしまいます。
まずは一回目、初期研磨です、
研磨方法は基本的にいつもと同様です。仕上げ方法により研磨方法を変えるはありません。そして、症状により初期研磨に多少粒度の変更がある程度です。その他車両データなどでヘッドライトメーカーにより若干変更したり、輸入車も状況により変更します。一般的な情報から最初は○○○番からなどは意味のない物(実際は参考程度でしょう)、この研磨の目的は「元々のハードコート層の剥離」であって、それに適した粒度を選択する事が正しいのです。研磨とは削る=傷を付ける事なので、その傷を最終的に皆無とし、透明度の復元とポリカーボネートの素の状態にする訳です。
一般世間で作業時間が短い、施工価格が低いなどは上っ面のみとか、少し磨いてキレイになったからと仕上げてしまうなどの可能性が多くあります。当店では施工後の少しでも、僅かでも耐久性を上げる=長持ちさせる為に研磨には時間が掛かってしまう(価格も反映される)となってしまいます。
私の所が他所と全く違う所は自動車メーカーが主体になってマニュアルが基本になっている所です。そもそも、最初の考え方の違いで劣化ではなく損傷を修復する技術となり、損保対応まで考えた自動車メーカーの思惑でした。(詳しく知りたい方は当店まで)
これは一般小売のコーティング剤販売元や輸入の湯気がモコモコ販売元のマニュアルとは全く違います。勿論二番煎じのコーティング屋が得意気に行っている物とは違うのは明らかです。
作業を進めます、研磨中盤位の状況、
↑ まだペーパー研磨中ですが、この後研磨剤を使用してレンズの透明度を復元させます。作業にどこか一つでも抜けてしまったり、不足してしまった場合は一旦立ち止まったり、戻る事も大事です。これは、機械を使用しますが人が手を加える手作業です。精密さに欠けるのはどうしようもない事です。慣れや要領でカバーも出来ますが、あくまでも緻密な作業を繰り返し精度を上げます。
この後、左右二灯を研磨終了後コーティング作業になります。
コーティング作業
御依頼があった時期にタイミングというか、新規のメーカーさんのコーティング剤が入荷しました。
コーティング前(研磨後)には一旦マスキングを外し、周辺の洗浄とレンズの出し作業を行っています。脱脂には完全な状態を行います、脱脂は最も最重要、大切さというのは過去記事のどこかで詳しく書いておりますので省略します。
コーティング塗布の再マスキングが判るようにテープの色も変更しています。ヘッドライト脱着なしでの車両についている状態での研磨は、研磨した際の粒子が隙間に入り込んだり、これからの塗布中に粒子が飛散する恐れがありますので洗浄やブロワーで除去します。この作業は省略しようと思えばレンズ表面のみ軽く綺麗にして、はい!コーティングとなりますが・・・そういう簡易施工は行いません。
完成と注意点
まずは、どの様に変化したのか?
今回は(も?)研磨後(左右のライトを利用して)の比較写真を作りました。
劣化と言ってもユニット内部は見える状況で重症化していませんから、然程変わっていない?判りづらいでしょうか。
黄ばみは取れ、透明度の復元という結果になります。
コーティング後の車両の写真は↓
リペアの何処まで求めるのか?精度、仕上げ、レンズの実表面積に対して等を考えると、この車両の様にヘッドライト脱着無で行うと不足する部分があります。いわゆる中途半端になります。プリウスで言えばフェンダー、バンパー際のエッジ部には作業の不足が生じます。何度も言っていますがエッジ部とエッジから廻り込み(エッジ折り返し裏側)に作業が出来ると美観と耐久性の向上に繋がります。
その様な趣旨や要件等を十分ご承知を頂きたいと思います。
最後にコーティング仕上げで何年持つ?持たない等の数字は何とも表しにくいです。塗装や湯気モコモコも同様です。もう一ヶ月少しを経過すると、当店で使用実験している塗装×湯気の経年結果が3年となります。使用実車での経過などをお知らせする事により、状態を見てみるのは皆様の参考になるのではないでしょうか?