新車の真っ赤なアルト、ボディコーティング施工です。お客様はプレミアムコースを選択されました。
事前来店による御説明や御案内でボディコーティング施工を決めていただきました。そしてお客様の御要望によりプレミアムコースも御一緒にとなりました。
実際に当店へのご入庫時には塗装に関して大きく分けて2通りの問題があり、可能な範囲ではありますが対処させていだきました。
問題の詳細やコーティングまでの施工の流れを追っていきましょう。
ご入庫時と車両情報
まず、お客様が新車の納車日から1週間使用されています。当然納車時の状態は私には判りません。
そして、当店入庫時にはあいにくの雨天で夜、お預かり時の現車確認は状態が判らず。こういう場合はお客様には「おまかせ的お預かり」とさせていただきます。お預かり中には今まで見えなかった、気が付かなかった点(特に異常や不具合など)が後日見つかる場合が多々ありますので御了承を頂きます。お客様へは大変御協力と御理解を頂く形とさせていただきます。
※多くのお客様は納車直後に当店へご入庫されます。少しでも走行が増えると無用な傷やシミ、汚れも付着します。場合により研磨が必要となり別途料金が発生してしまう場合も御座います。お車のコンディションが良い時点で施工をされる事を強くお勧め致します。
車両情報としては2021年12月~発売の新車になります。
ボディカラーはフェニックスレッドパール【ZLB】になります。
今から43年前の初代、あると便利、だから”アルト”の当時を知っている方なら、イメージはやっぱり赤ですかね。近所の誰かは、何処かのお宅には、知り合いでも乗っていた方はいたのではないでしょうか?当時を知っている私も何故か赤のイメージが強いです(個人的感想です)今のは赤は赤でもパール色になっていて感心しちゃいますし、お預かり中にはよく観察してしまいます(汗)
※ホイールキャップは取り外し済みでお客様がレス仕様にしています。
状態と追加作業
夜間のご入庫となりましたので作業は翌日からとなります。
※お仕事などによりお時間に都合が悪い方は夜間でもご入庫可能です
先述した通り2通りの詳細からです。
【一つ目の問題】
まず一点はお客様から御申告がありました。当店入庫前の間に「リアのエンブレムを外した」との事。雨夜間の所で確認はしてありますが、作業開始日早々に再度の確認となります。
お客様は多少キズがついたり、”ステッカー剥がし剤”の様な物を使用して、糊跡や文字跡が残あり、除去剤が垂れた為跡が残ったと。でも、コーティングののりが悪くても(定着ともいえる)構わないと仰っていました。
”S”マークやALTOの”A”文字が見えて(残って)しまっています。またその周辺が傷が入り渦を巻いています。
傷の状態は近距離の写真で良く判りますね。
お客様の申し出もありましたが(気にされないと)、余計なおせっかいとなりますが修正をさせて頂きます(本来は有料です、若干手間取ったからです)
まだ、納車から一週間ですからなるべく回復させて気持ち良く乗っていただきましょう、そして、さすがにバックパネルの状態がハッキリ言って悪い(失礼ではありますが)。良いか悪いかで言えば✖となります、これからの折角のコーティングが、、、と悲しくなりますので対処したいと思います。
それでは準備をして修正作業に入ります。
作業の順序はブログ記事の構成上実際とは違います事は御了承を願います。
いきなり研磨はしません。
特殊な溶剤を使っていきます。何故ならば糊跡からの粘着成分の残留、ステッカー剥し剤の成分残留(これはお客様が垂れてシミになったような事を申告)などからです。
溶剤処理は写真を撮っていなかったので割愛します。糊の成分は取れたかとは思いますが文字の跡は見ようによっては判ってしまいます。
最終研磨による作業、文字の跡もそうですが全体の傷をなるべく除去しましょう。
凡そ半分以上の面積を研磨になります。
で、ここが重要でスズキ車の塗装はこれまた特有の性質があります。ホ○ダ、ミ○ビ○と同類と言えば判り易いかと。
研磨にも多少ハマってしまう場合があります(油断していると)
また、お客様がエンブレムやオーナメント除去で多少触ってしまった位で傷だらけになってしまう位脆いのです。
更に糊跡がガッツリ残る位(塗装に食い込んで)脆いです。
【二つ目の問題】
例えばメーカーの生産ラインの最後の方にはASSY INSPECTION と言って縦型照明がかなりの数が並んでいる所があり出来上がったものを見ている訳です。ある工場の一台を見るスペースに照明が何台付いているか画像からカウント(確認できる)してみたら、160本でした。それ以前に生産途中のペイント後に一度は見ているのですがね。それよりも塗面ではなく、各部構成の組み立て完成度などを見ているのかもしれませんね。というか、この時点では手は加えられていないのかもしれません。
でも何処か、過程の中の何処かで見ているんだけど、見ているのだけど、見ているかもしれませんが、、、、、
お客様に渡る車両は↓↓となります(生産、移動、納整、販社等の流れの何がどう?”何処ででこうなる”は省略します)
こちらはお客様の不備などではありません。
事実としてお客様に新車という形に不具合が生じてお渡しされています。
↑ お預かり翌日の照明をつけたら「あれ~?」という状態。
白丸内に研磨痕です。
上記の不具合箇所、他の部位の不具合箇所を見てみましょう。
フロントの左フェンダー先端、そして、上部も弄られています(写真は割愛)塗装の不具合と表現していますが、別の言葉は”塗装面の不具合”も当てはまります。
もう一点、左クウォーター上部です、
近くに寄って見ます、
意図的に手を加えた跡になります。
いつもこのブログを見ている方ならばお判りかと思いますが、塗装表面に不具合があったから磨いて(研磨)修正を図ったのです(御注意、”つもり”と付け加えたいのがやまやまですが)。
今回はいつもと違った検証をします。
何故ならば最近輸入車(問題あり系)と国内メーカー問題あり系3社が比較的入庫が多くなっていますので、その印象でお伝えします。
不具合パターン①
製造時(塗装時)のブツ(チリや埃やゴミが付着混入)を除去したく、研磨しているパターン。エアサンダーにペーパーですね、状況として”ポチっ”と極微細な一粒。このパターンはどのメーカーでも一番多い。世界の○○○自動車でも何でも関係がない、あって当たり前(騒ぎ立てる事ではありません) なのですが、お客様にお渡しする時点で不具合が目立つままだったままというのは、ホ、ス、ミの三メーカーは多い。
不具合パターン⑵
線傷、シミ等を除去したく研磨で処理しているパターン。これは残念ながらH社さん車両は大変多い。H社さんは気が付いたものは何でも弄り回す傾向。特に濃色車の多くはこの傾向。
で、今回はお伝えした通り何処でどう処理されているは省略(個別に説明すると大変長くなる)私の職務経験上、各メーカーさんへの出入りや関連職務が多かった為、流れや業務内容、関連会社などを把握している場合があります。また、知られているのかいないのか?例えば○○○社(敢えて伏せる)で他別メーカーの新車を購入できるのですよ(仕組み上は色々)、ですから他社の新車なんかは普通にコーティングしていましたよ。
結果やただ言える事は、この様な法則が成り立ちます。いつも言っていますが
不具合を修正や処理⇒磨きました痕跡が⇒結果、不具合を形(見た目)を変えた不具合!
塗面の美観や見たままの状態は良くなったとは言えない、又は修正箇所をマーキングをしているかのようにも捉えられる(研磨痕という印で)
長くなりましたので(結果いつもと同様の話)、実作業になります。
研磨を入れる、磨き跡(バフ目という渦を巻いた傷)を除去して、この後必要であれば更に仕上げ研磨を1~2回(1~2段階)。
そして完了、
ほぼ何も見えなければ完了。
不自然さがあったり、光源により光って見えたり、何かあれば更に修正をします。物理的に傷の深さがあり、残塗膜(クリヤ層)を極端に薄くなる様な事は避けます。
例①どう見ても消したい=残塗膜量を無視、頑張り過ぎの感もある後先考えていない
例②ほぼほぼ見えない、目立たなく=研磨量も考慮の安全に、限られた塗装を大事に
他にもやり方や処理方法は多様なパターンが考えられます。大変申し訳ありませんが施工者の腕一つ、よく考えられての方法を取ります。この辺りはお車をお預け頂く上でおまかせ的の所もありますので御了承をお願い致します。
特別な理由がない限り当店が主としているのは②の方法ですね。
という訳で何ヶ所か(左のFフェンダーも半分くらいの面積を研磨修正しています)この様な不具合を修正して、ボディコーティング作業になります。
また、記事中の作業順番がかなり変わっていますので、写真を載せておきます。
他の作業では、各種塗面洗浄など等々、
各ドアパネル内の軽い洗浄、エアブローはプレミアム施工に向けた下準備になります。
各部の脱脂作業も入念に行います。
ボディコーティング作業
まずは通常の外板部のボディコーティングです。
↓ 準備中です。
これまた、いつもの様にコーティング中は特段書く事がありません。
写真を何枚かで次へ行きます。
拭き取り中に再確認しましたがこういう場所も汚れが廻っている場合もありますよね。一週間の使用や雨天の走行もしていますからね。
プレミアムコース施工
外板が終わりましたらプレミアム施工のスプレーガン吹き付けを行います。一部ガン吹きをする必要が無い場合は手塗りも併用します。それはコーティング剤の定着性と被膜増に有利なのは手塗りだからです。いわゆる大げさなアクションパフォーマンス重視、強調ではなくコーティングの性能、効果を第一に考えるからです。
プレミアムコース施工の一般的な御説明、詳細は他の車両でも多くを施工していますので他車種施工の記事をご参考にして下さい。
↑ こういうドアを開けた所、部位も施工しますよ。
何だかんだと時間を要し終了です。手間がかかるのがプレミアム施工となります。
また、外板の平面を塗布するのとは違い、コーティング剤の消費も大変多いというのも事実です。
完成
今回は通常のボディコーティングとプレミアムコース施工となりました。
お気を付けていただきたいのは、最近の車両はフード裏やルーフエンドから中になるバックドア内上部などペイントがされていない、不足しているなどがあります。コストカットの目的でしょうか?その場合コーティングの効果も薄れる場合があります。洗車時には水分を良く拭き取るなどの対策をお願い致します。やはり、放置されるとシミや汚れの成分が堆積されます。
※アルトの場合フードとフェンダーの隙間からペイントが不足しているのが判ってしまうのでは?と思う位ギリギリを攻めている様な状態です。
それでは完成写真で最後になります、
完成後に車両移動時に屋外で写真を撮らせていただきました。
バックドアのエンブレム跡もほぼ判らない状態かと思います。
また、ボディコーティング後は発色させるための透明性(度)があり、光量や角度により赤、フェニックスレッドパールの表情はその都度変化する事となります。
御利用を有難う御座いました。