茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

トヨタ RAV4 ボディ研磨+コーティング 重施工

トヨタRAV4のお客様は以前から当店を利用したいと思っていたそうです。お話を聞く限り御利用までには数年越しで達成となりますが、車両に幾つかの問題あり、それが大きく後押しをしたかもしれません。

トヨタ RAV4

お客様は最初の取っ掛かりとしてWEBサイトからフォーム*1でお問合せ。既に数年越しの経年車、車両の状態・経緯を詳しく書いていただきましたが、やはり一度見てみないと判りません。但し、御返信には誠意をもって書かせていただきました。
※こちらも頂いた文面により想像と妄想、考えられる原因やお役に立てる情報をお伝えする事になるので長文だったり、実際の現車に対して必ず間違い内容とは言えません
状態、詳細に対して多く書かれていたので、少し整理をして御返信させていただきました。

そうは言っても返信後に直ぐに御連絡を入れていただき、車両の拝見と状態の確認、具体的な考えられる作業、注意点等を御説明。
その際には時間が多くかかりまして大変御迷惑をお掛けしてしまいました。
(大変申し訳ありません、お客様のその後の予定に遅れが生じてしまいました)

今回の施工の御紹介には一部詳細を濁す箇所があります。症状やその原因など全てを書いて人によっては晒されると捉えられる場合もありますので。今回も一部トラブル案件と捉えていますが、記事掲載許可を快くいただいています。
御注意!
最近、重施工、難施工、他店お断り、等車両などが多い為、内容により事細かく書かない等の配慮を行っています。それでも皆様には当店御利用とブログでの施工御紹介に快く了解をいただき有難う御座います。

車両情報

第5世代50系が出て初期の購入車両で数年経過、「Adventure」、ボディカラーはお馴染みの”アーバンカーキ”【6X3】になります。因みにソリッドの単純な色構成で調色配合には4種の原色のみです。特徴はメタリックやパールなど”光もの”を含まない為に、あまり光を当たらない環境下では落ち着いた塗色表現で印象になります(あくまでも私的な表現です)

トヨタ RAV4 アーバンカーキ

お問い合わせから、現車確認、翌日お預かり~施工へ、と見事な流れでした。
※丁度空き日がありタイミング的に良かったのですね!

各種洗浄

お預かりから、各部、細部が汚れています。

汚れの固着

↑の様に各パネル間や細部は少々固着した汚れが溜まっています。
まずはドア内、

内側の汚れ

ドア内側洗浄

ドアヒンジ洗浄

↑の洗浄についてはトヨタ規格となります。
洗浄液等も色々とありますが、ブラシについてはトヨタ規格では「〇〇ブラシ」=部品番号、共販、今はモビリティで良いのかな?
因みに私のところではⓉの製品を仕入れています(トヨタからは仕入れていません)。わざと濁しますがⓉとは 自動車補修を行っている方なら直ぐにお判りでしょう。塗装資材と同時に入荷できるしね。
静電気防止と耐薬品性に優れ、以前の職場では耐久性等のデータを取っていた、そこまでするという事はかなり優れているという事です。

余談ですが、ブラシも奥が深く、例えば私も多種を使い分けますが、ディティーリングブラシ各種(流行の)は全て㊥工場製を買えるでしょう。耐久性なんか何も無い、ウチでは間に合わせレベルですね。耐薬品性、毛の接着、もっと言えばウチの問屋さんは以前高級刷毛をサービスしてくれましたよ。優れた溶剤を扱う場合、ブラシの選択肢も違うと気付いたのは既に10年以上前(笑) 市場はカッコつけの形からでいわゆるディティーリングブラシと呼ぶもので”シャカシャカ”流行ですが(笑)

得意の脱線となりました、、、

洗浄の話に戻ります、
ドアのロッカーパネル?でいいのかな?SUV特有のサイド樹脂パネルは汚れが浸透しています。結論的にはあまりお手入れをしていなかったのでしょうか?(お客様には失礼ですが)回復には難しい場面もありました。

樹脂パネル

樹脂パネル

樹脂パネル 強洗浄

現代の車両(大げさですが)、最近の樹脂素材には機能性を大きく持たせていますので、表面の特性上には汚れなどが付着や浸透すると、簡単には落とせなくななります。簡単に言うと以前は”右へ倣え”的に黒いプラスティックでしたが単純なものでも耐候性、耐久性は必然的に。そしてエンジンフード裏、エンジンカバー(ヘッドカバー)、もっと車体の内部、裏側に用いられるパーツもあります。
更に進化した樹脂複合部品にはNV性能*2を求められるので、様々な材料などが使用されています。但しこれらはあくまでも機能性、美観や防汚性などはあまり考えられてはいないと考えられます(おそらく)。実際に自動車ユーザーがお手入れ、洗車や洗浄した時には、以前よりお手入れに工夫が必要だったり、面倒な事もあり得るかもしれません。一般的な感じ方では、簡単に言うと表面がザラザラとツルツルではどちらが汚れが落としやすいか判りますよね(極端と単純比較ですが)。また、一旦キレイになったとしたら、それを維持するにもそれなりの労力が必要でしょうね。

余談ですがトヨタで言えばライナーの製造に頭に浮かぶのはトヨタ紡織とか。不織布使用のNV高性能ライナーでは豊田合成(とよだ)=遡れば自動織機製作所のゴム部門・・・など。一度、ライナーの製品品質や仕様などを勉強した(コーティング剤の定着に応じて調べる機会があった)事があり、資料を頂いた、、、脱線しそうなのでこの辺りで止めておきます。

エンブレム廻りも洗浄、間に合わせのディティーリングブラシで(笑) 毛質は安心レベルです。

エンブレム洗浄

色々と多くあり過ぎて(洗浄が)、まとまりが悪いですがかなり洗いました(汗)
基本的な下廻り洗浄も済ませてあります。先述した浸透、そして変色したライナーなどは一部復元(見た目)出来ません事はあしからず。

下廻り洗浄

そして本題の塗面の問題に取り掛かる前に上面は特殊洗浄剤で数度反応させてあります。

重要!問題個所

ここでは二点の大問題があります。
まず、一点目は詳細は控えます、これはお話を聞く限りお客様の不手際等ではないそうです。お話の一部から一箇所の部分(ポイント的箇所)が新車の時から気になっていたと。最初のWEBフォームでのお問い合わせ時にも記載がありました。
その内容はドアアウトサイドハンドル付近一箇所でした。
しかし、私が車両全体を見せてもらうと下のような結果となります。
※マーキングしているのがその箇所です。因みに今話題の水増しは行っていません、反対にポイントが近い複数箇所はマーキングを一つで省略しています。

不具合

不具合

不具合

不具合

不具合

不具合

沢山写真を貼りましたが、フロント右~一周でこんなに、あれもこれもという状態でした。
何が起こったか?起こったのかはスルーして研磨作業時に解決していきます。
※お客様とは購入、新車時の経緯などを十分にお話を頂いていますので、残念だがそうい事かぁ~と双方が理解をした事になります。本来は責任追及もアリですが、納車してから数年では、、、、となりますので。

次に塗面の不具合、日常使用環境で数年使用で徐々に目立つようになってきたようです。

ボンネットの状態

照明の使い方、透かし、反射、角度の変化で見ていますので塗面は暗くダーク色の様に映ります。細かい事を言えば研磨前提の見方、照明の使い方になります。

最初は上面だけの問題かなと思いましたが、サイドも含む全体の問題です。

サイド面 ドアパネルの状態

各問題点を確認し、それでは研磨作業へ移ります。
まずは、最初に指摘したマーキングした箇所は、

問題個所、不具合

問題個所、不具合

判りますかね?傷やシミ以外に見えるもの、白い物です。
キズ、シミ以外の不具合は除去していきます。これは全て同時進行作業になります。そして、凡その予想に合わせた傷深度のセッティングの研磨では合わない場合もあり、研磨中に研磨剤やバフを変更する事もしばしば・・・非常に手間がかかります。
今回も難・重施工ですか、、、、

通常の研磨

スポット的修正研磨

スポット的修正研磨

その他、要所、部位、症状により径の小さいポリッシャー多数使用。写真はまだまだありますがもうこの辺りで省略。

研磨例を一つ、

研磨前

研磨前

細かい傷や先述したその他の不具合、そしてこの写真では雨が降っている様な模様のシミが見えます。
研磨後は、

研磨後

↑の様にスッキリします。当然ですが深度のある傷などは残します。
バックドアですが、凄かったですね、

研磨前

もう白く濁って見えてしまいそうです。
研磨後はここまでスッキリ。

研磨後

次は、

研磨前

研磨後

ルーフサイドの例でした。
この様に可能な限り、一パネル、個所毎に修正していきます。その事により全体のクォリティーが上がり、塗面の不具合、不自然さが無くなります。よく言われる磨いて艶を出して・・・というのを聞きますが、正確には磨いただけでは艶は出ません。理論上と実研磨作業では艶を出すために磨いている訳ではなく、塗装を正常化*3するために磨いて、その結果に黙っていても艶が付いてくるようなものです。
この様な理論は正解は一つしかなく、曖昧な表現や大げさな誇張された宣伝、理論をお客様に説明できない様な他所があれば避けるべき、または信用度が低くなります。
付け加えれば、今の時代、稀ではありますが、未だにコーティングをかけるだけで艶が飛び抜けて出ますという謳い文句も無いかと思いますが(笑)
コーティング=撥水 も、いい加減やめましょう(既に死語)
ディーラーのコーティング異常な高級志向、20万なんてザラ!
水洗いで5年間新車の輝き・・・今も信じている人がいる?
世の中には色々な人がいますが、騙されている人、騙されているかもしれないが、、、と思いながら予算、費用を考えると・・・と何となく妥協している人等々・・・(残念)

研磨後

研磨後

最後に出来なかった点も書いておきましょう。
劣化やダメージの度合いによっては完全な美観を戻す事は出来ません。

塗装の破損

上面、フードとルーフですね。ココには無数の破損個所が発生していました。
一つのシミになっている箇所の詳細はクレーター状に芯が落ちているもの、更にピンホール、または、その反対に内部から盛り上がっているものも見られます。
何も手を付けない時と比較すれば薄くなったり目立たなくなったりしますが、総合的に見れば美観を損ねてしまいます。もしかしたら早めに御相談や処置をしていれば良い結果も得られたかもしれません(何せ当店検討から利用までに数年かかっていますから)。
大変、長くなりましたが塗面の研磨修正はここで終了(長かったですね)。

研磨終了

サービス施工

テールランプの研磨を行いました。皆さんあまり気にされないのか?判りませんが、ここも意匠性があります。意匠性とは美観の観点からデザイン、配置、赤や透明の色となればこの部分が傷んでいたり汚れていたりしたら台無しです。
そうは思いませんかね?因みにボディ(塗装)のシミは皆さん気にされますが、レンズにシミが付いている(入っている)のは気にされなかったり、あまり声を聞きませんね。
という訳で、

テールランプレンズ研磨

テールに使用されているレンズは硬度が比較的あります(以前どの車両かで書いた)、深度があるものは傷等は取れない、取らない場合があります。
しかし、赤は赤らしく、黒味がある箇所は黒く、メリハリが利いたディティールになります。これがこの作業の効能です。
※特別な注文作業が無ければ特に料金を頂きません、反対にテールに触るなと言われればその指示に従います(笑)。車両を一旦お預かりすれば、そこからはお任せになるので美観の向上を第一に考えればトータルで作業に加えています。

ボディコーティング施工

まずは完全脱脂、

脱脂作業

完全に素の状態です。

ボディコーティング中

コーティング中の塗面の確認

色々な見方があります、照度を落とし陰影での確認、または透かしてみたり高照度で見たり。その繰り返しになりますね。
写真は少なめで終了。
いよいよ完成です、道のりは長かったと感じました。

完成

ボディ研磨コーティング完成

ボディ研磨コーティング完成

ボディ研磨コーティング完成

ボディ研磨コーティング完成

一言申せば、単純に艶と言われる方が多い。何の艶?どの部分の艶?なのでしょうか。

正しいことが出来る施工者は塗装の扱いを正確な理論で整え、本来の透明度、それに追従するように自然な発色へ導きます。

整理すると、
前述した状態で(画像参照)

塗面が悪い状況

↑ このパネルにボディコーティング剤を塗ったとしましょう。状況の表現が難しいですが白く濁った様な状況です、色の表現で言えば本来アーバンカーキ一色と照明の白で二点に見えなければいけません(この角度、照度、環境で人間の目で見て)。ですが画像からは点々と無数の細かい白が映り込んでいます(いわゆるシミ状)。この時点で本来の発色は薄れています、要するに光沢量が少なくなります。
結果的にお望みの艶と表現される状態を作るには塗面上をクリヤ(透明度を高める)にする事です。どの様な事柄でもその結果に行きつくまでには、プロセス(過程)があるので、正しい理論の下行う事が必要です。
難しい表現をさておき、このパネルにボディコーティング剤を塗ったとしたら、コーティング剤による少し奥行きがあるシミ状態の塗装パネルで終わってしまいます。それでも艶が出るというのであれば、見る角度、照度などで偶々シミが目立たなく見え、艶が出た、出たと信じ込む、勘違い、見方が判らないなどでしょうか?
何度も言いますが塗面が正常化されていなければ、コーティング剤をどれだけ塗っても艶がどうのこうのより、色味が違う、メーカーが作ったカラーとは違う、と表現しても大げさではないのですよ。

最後に面倒な話になってはしまいましたが、この位で締めたいと思います。

 

施工には各種洗浄を一通り行いましたが、塗面作業の最優先となり一部物足りない所もあるかもしれません。御理解の程をお願い致します。
今回の御利用には、お客様の常識ある対応と御協力には感謝致します。
大変有難う御座いました。

最後に 重要事項

おさらい的に話を付け加えます。
この車両には問題点が2点あったというのを振り返ります。
何があったかはこの記事では一部濁す表現ですのでご了承ください。
一点はお客様が数年使用して、自然に日常使用上で表面に問題が生じました。
そしてもう一点ディーラーの不備と思われるのが原因で不具合を引きずっていました。
言っては何ですが、この販社は以前からの評判が芳しくない、高いか低いかはというと高くはないのは認識をしています。
では何か問題があったり、気が付く事は無いのか?と、少し調査をすればこの様なものが出てきました。

お客様への御案内には不適切

トヨタディーラー販社のお客様向けWEBサイトのとある一ページです。他の販社全社を確認した訳ではありませんが、他販社では同様の表示掲載は見つかりませんでした。↑これが該当販社のページに掲載していました。青○表示を御確認下さい。
これは、お客様への案内には不適切になります。

何が起こっているかというと、コーティングメーカーの案内データをそのまま掲載しちゃってるのでしょうね。印をつけた文言はコーティングメーカーがディーラーに案内しているのですね。
「こだわりを持つお客様に特別な御満足を提供し、」までだったら良かった(セーフという意味)
その後の文言は取りようによっては、お客さんにコーティンング売って儲けて会社を大きくしよう!   
常識があってお客さんへの適切な案内をするというのはトヨタの看板を挙げて当たり前なのですが、残念ですが出来ていないようです。
※誰も気が付かない、チェック能力も無いのでしょうか?
要するに結果としてチョットした細心の注意を払うことが出来ていない、という事なのでトラブル発生もアリなのかなぁ~と、、、後付けではありますが思ってしまう所なのです。

※メーカーからの製品案内は様々な方法があります。当店でも新規に取り扱いが始まるような場合は必ず最初に確認をします。その際にデータ(デジタル)で頂くのか?紙媒体なのか?そしてココが重要なのですが第一にお客様に案内するものがあるのか?なのです。私的には私たち施工者が必要なのは科学的データや施工マニュアルの方が重要なんですね。

当店から

施工商品を販売する事により収益をを上げる(当たり前とハッキリ申し上げます)、のでご案内を差し上げます。
今回の車両の内容から、作業と結果から再確認をする事もあったり、車両の使用、購入時のエピソードからなるほどなぁ~と思ったり、お客様からの御相談に適切に対応できたか?と色々と反省や勉強になった事もあります。
お客様もトラブっていたものが物理的に改善(100%は無理だが)や色々と思う事の胸の内がスッキリや和らいだかもしれません(勝手な想像でスミマセン)。
以前から車両を見る事(状況判断)も仕事と言ってはいますが、今回は多少なりとも気持ちの問題にも微力ではありますが力になった?、、、かもしれません。

簡単に一言、当店(私)は塗装状況を見る事が得意としています。
完全に他所とは違う、そして多くの方から御相談を頂いています。
どうぞ御利用いただければ、宜しくお願い致します。

 

 

*1:お問い合わせには電話、WEBサイトフォーム、直接のメールがあります。内容によりレスポンス良いのは電話が手っ取り早い事になります。WEB、メールでの内容や書き方に情報が判りにくい、ぶっきらぼうに書く方が居りますが、その様な場合は誠意をもって返信する事はありません。全てがお客様は神様というのは通用致しませんので常識ある行動をお願い致します。

*2:NVとは『Noise・Vibration』の略で振動・騒音に対してそれらを改善や防御、軽減などを求められる。近年、車両全体に対応したパーツが使用されている

*3:この場合新車の製造時状態。それ以上は研磨の技術や研磨剤の善し悪しにより+αもあり得る