茨城県カーコーティング店 s-detail’s blog

茨城県 自動車ボディコーティング、ボディ磨き、車両美観の施工例

ニッサン セレナ(C25) スーパーブラック研磨のみ

購入された車両の塗装状態が悪すぎた、ザックリ磨いて何とかならないか?中古車仕上げ(簡易磨き)でお受けしました、、、

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日産セレナ

 

車両情報と入庫時

車両はおそらく2007年式(書類を見ていないので現車確認のみ)でソリッドブラック色のKH3です。いきさつをどこまで書いて良いのか?譲り受けた車両を購入、でしたが外板の状態が芳しくなかった(お客様も悩んでおられました)という事です。新車時から13年経過、走行距離も20万キロオーバー、そして前オーナー様も中古車で購入されて(車両の痕跡から)乗られていたようです。
(車両の塗装種のKH3については後述します)

御注文はザックリ磨いて少しでも良くなれば・・・そして、現在の状態から費用も掛けたくない(予想では塗装が良くならない、、、と思うのは当然の事かもしれません)

その事からいわゆる中古車磨き仕上げ(※)程度での御依頼としてお受けしました。

(※)中古車磨き仕上げとは? 定義はありませんが一般的に傷を一つづつ拾う様な磨きではなくポリッシャーにてサラッと磨いて小綺麗になる仕上げ方です。簡易作業なので時間も多くは掛けず、合理的に済ませます。簡単に言うと中古車展示場に並べる為に行うレベルです。

入庫時の状態は下の写真で御確認して下さい。

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日産セレナ入庫時

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日産セレナ入庫時

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日産セレナ入庫時

洗浄下準備から研磨

洗浄中に感じた事はおそらく市販品の撥水系(実際は疎水の感じですね)程度が塗られている模様。

一般論と憶測で言いますがこれだけ傷だらけであれば(失礼ですがお手入れはしていない感じ)何かを塗ってある等は無いはず・・・ですが、程良く排水してくれます。スケール等は比較的少ないのです?全くの憶測ですが、汚れたら洗車等の最低限レベルで行っていたのでは?

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疎水の様な排水性

で、上で述べた傷だらけというのは後のマスキング時の写真で御確認をお願い致します。

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塗面の状態

側面パネルの状態は、

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塗装の状態

さて、本来の塗色が不明な程の状態、塗面を埋め尽くすような傷ですが、研磨を進めて行きます。

付け加えますが付着物が多いのも特徴です。目視ではペイントミスト、セメント?、不明な付着物が確認出来ました。更に補修跡、ドアエッジモール剥がれ、各所DIY塗装~他多数。

それではボンネットの研磨です、

しつこいようですが、これ↓を研磨します。

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ボンネット研磨前

 

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研磨中

↑ 50%程度の研磨、数字で表せばこの後の仕上がり時で70%程度で終了。
研磨前後の比較は次の画像(合成)で確認して下さい。

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研磨前後比較

サイドのドアパネル等を研磨していきます、

サイドのこんな↓状態を、、、

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研磨前

研磨すると、

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研磨後

比較写真として何枚か撮ってみました、
まずは黙って画像を御確認下さい。

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研磨前後比較

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研磨前後比較

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研磨前後比較

ラストです。

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研磨前後比較

言葉は不要、画像が全てとなります。

完成と施工内容 

研磨前後の比較は最終的に右スライドドアを最後まで残し、作業前と作業後の変化を判り易く面白味を加えたわけです。写真のインパクト、お客様の反応(研磨中に一度見に来ています)を考慮してパネルの研磨順をこの様にしました。

この後このスライドドアも研磨を行いまして終了です。

施工の御注文は研磨にて中古車仕上げ。
そして施工者(当店)では作業途中から中古車仕上げ+αへ勝手に変更=料金割増等の変更はありません(勝手に変更ですから)
御注文の詳細等はFバンパーカバーとヘッドライトは交換予定で未施工、そして、ルーフも未施工となります。
これから、他の部分をリペアしていく事を考えると、塗装の状態劣化の悩みは多少軽減できるのではないでしょうか?
特別サービスとして簡易コーティングフッ素系で仕上げています。

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ニッサン セレナ ボディコーティング中

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ニッサン セレナ ボディ研磨終了

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ニッサン セレナ ボディ研磨終了

当該車両のKH3について

今回の塗色KH3は耐スリクリヤーではありませんでした。

耐スリクリヤー等の高機能塗装ではない=スクラッチガードコートやスクラッチシールドではないという事です。
古くはスーパーファインコート(S、F、CにS、H、C又はS、F、H、C)もありますが、←これもかなりややこしい(笑)

この車両製造時期は丁度切り替え期位になります。
私の経験談としてはSFC系は日産系に勤めていた時期にセフィーロなどで最も目にしていた。

今回の研磨方法は日産特有のソリッドブラックに合わせた方法となった訳です。致命的に深い傷が無い程、研磨により漆黒の様に仕上がるという訳ですね。
しかし、100%理想通りとはいかないので奥が深く感じたり、不足感や違和感を感じてしまう場合も少なくないのです。今回は+αを加えたとしてもベースは簡易研磨です。

 

研磨的余談

この記事は数日にかけて加筆しましたので、一部研磨の詳細が抜けていました。
多少付け加えるならば、車両の状態から判るように深い傷、太くパネルを縦断する様な傷が多数でした。その為、以下の方法も用いられました。

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ルーフサイド 研磨前

↑ 傷の深さを確認します
確認=当たりを付ける基準となる傷は最も深い物ではありません、不必要に塗膜を下げる事は行いません。

そして、ペーパー研磨粒度は♯1200のほぼ加圧無し。加圧の加減で800~1000番程度のペーパー目が入る可能性あり。

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♯1500研磨

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♯2500研磨

↑ 数段階研磨で整えます。

その後ポリッシャーにて研磨、

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研磨後

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研磨後

全パネルを行う事は無かったのですが、一部この様な方法を行っております。

多少解説します。

一般的に勘違いされる場合がありますのでしっかり否定しますが、
ペーパーを入れると削り過ぎる、膜厚が減るというのは大きな間違いです。例えば先の状態をポリッシャーコンパウンドで長々と時間を掛けるよりも詳細に研磨が出来るのです。これは、研磨量と塗膜量を施工者自らコントロール出来るからなのです。ペーパーのかけ方にも加減や手順もあるでしょう?ガリガリと研ぐのか?サラッとかけるのか?平面全体、傷の深さ、幅を見極めてのかけ方はもう慣れや感覚と理解度と言えるでしょう。

ですから言いましたよね?「 傷の深さを確認します。・・・・・・最も深い物ではありません、不必要に塗膜を下げる事は行いません。」最も深い・・・というのがミソです。二番目~三番目に深い傷の位置(深度)までペーパーで整えるのです。一番深い位置までペーパーを入れると更にペーパー目が入り重切削(×2)になってしまいます。

当然取り返しがつかない、後戻りが出来ないので、施工法に間違えなの無い様行っています。数値化(膜厚)にてポリッシャー研磨より研磨量の目減りが少ない理論と結果です。

言葉や文で表現するのは大変難しく、伝わりにくいかもしれません。
時折目にする「鏡面」「次世代研磨」「傷とキズの角を研磨する特殊方法?」言ったもの勝ちの言い放し、その中身や理論は何故か本当の真実を拝見する事は残念ながらありません。

更に誤解を与えない様強く記しますが、この方法を全ての車両に用いる事はありません。今回の車両の状態では多々の(技術)引き出しから、こういう方法なのですというお話なんです。

 

余談の余談になっていまいますが(笑)
過去の事になりますが多くの練習と課題には2:1クリヤーのソリッドブラックを♯320ペーパー目を研磨、、、

クラッチシールド的余談

磨き、研磨、コーティングというのは対象物が塗装な訳であって、
自補修の観点から当店でも「スクラッチシールド」トップコートクリヤ-塗料として入荷も可能です。
当然補修塗装等でのお客様からの作業は行っておりませんが、自身の物や趣味的にガン吹き塗装は行う事があります。
以前、自身のある物を色替えしたく、検討した時もあったのですが、この「スクラッチシールド」のクリヤー塗料は高額です。
因みにドア二枚程度使用量(目安)で税抜で5万円以上(当店は塗装店では無い、入荷仕切りは各店違うと思います)
主剤、硬化剤、ボカシ剤含むのですが、高額ですね!

また、参考マメ知識程度で捉えていただければですが、当店ではボディコーティング施工後のお客様自身の交通事故(物損)の保険扱いにて案内をしています。詳細は個別にですが、お客様が運悪く事故等に遭われ損害補償を受けられる場合の施工証明書の扱い等などです。
マメ知識的な事はお客様自身には直接影響はありませんが、スクラッチシールドを補修する(塗装)場合はこの高額な塗料代(材料)は指数計上請求できるという事です。

「スクラッチシールド」が良いか悪いかは別として、日産車に塗られている状態の塗り肌は個人的に好みです。ダメージを受けてしまったものは手を焼きますが(笑)

それでは、最後にやっぱり「このまま乗ってくれないかなぁ~」 と思ってしまいます(笑) 街中にこんな車両がいたらインパクトがあるのではないでしょうか?

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研磨比較