今回も記事は研磨編と塗装編に二回に分けてとなります。雑学や理論等は別記事を参照されて下さい。
フィットのヘッドライト劣化の現状
こちらの車両は初年度登録から既に10年を超えています。ライトの密閉度が悪いのか?多くは内側の曇りや汚れが多い例がある車種となります。劣化症状の外部、内部とダメージがひどすぎる車種なので多くのフィットオーナーさんの悩み処です。
結論から言ってしまうとリペアでは復元できない対象車種となります。
屋外で見える状況
さて、問題のヘッドライト状態ですが、
入庫時の屋外で見るとこんな感じです。劣化の状態「曇り」「白濁」「黄ばみ」諸々の劣化のデパート状態となっております。というか簡単に言うとポリカーボネートのハードコート層の崩壊、破壊から素材そのものの劣化...です!
傷み方の現象や例は別記事をご覧ください。
屋内で見える状況
次に作業に取り掛かる為にガレージに入れ見てみます。
色々な角度から見てみるとこんな感じ。照明の当たり具合もありますが一言で言えば「透明度が無し」ですね。
研磨作業
まずは軽く清掃してマスキングを行います。
ペーパー研磨開始、上面をまだ3往復位時に写真を撮りました。
研磨の詳しい事、理論は他の記事を参考にされて下さい。今回一点だけ付け加えると開始時に一発目のペーパーで元々あるハードコート層を剥離してしまいます。ペーパーを何度も多く書けるから剥離ではなくペーパーの粒度を変えるのはいわゆる目消しとなります。
今回は作業中に重要な事があります。研磨中に二点ほど問題が生じました。
まずは飛び石かと思われる深い傷、研磨初期から深く削っていたのですが残ってしまいます。再度複数回スポットで傷部を平滑に研磨を行いました。
画像で見える窪みは10や20μm程度ではありません。数値化できるのが一番判り易いのです。
この様にスポットで研磨を入れると歪みますので、周囲から攻めます。実質見えている粗い研磨痕の3倍程度の大きさ範囲内から研磨を入れています。何か所か複数場所に深くえぐられており、多少時間がかかっています。
次に予想していましたが内部からの曇りがある事が判明しました。
右側のヘッドライト先端部を真上から撮影です。青丸内に見えるウロコ状の様に模様が出ているのが曇っている場所です。おそらく透明度が増すにつれ更に大きい面積かと思われます。
※内部の曇りは施工対象外です。当然の事ながら外側のリペア(研磨)作業ですから無理なのですね。
せっかく外側の透明度が復元出来るのに残念でなりません。
取り敢えず作業を進め以下の写真は研磨終了となります。
ペーパー研磨、ポリッシャーコンパウンド研磨等の詳細は割愛します。他の施工車両の記事でも書いていますので参考に下ください。
チョッと角度を変えると透明度や仕上がり感の見え方は違います。写真の見え方と実際はイメージが違う場合がありますのでお気を付けください。
今回研磨中に内部の曇りを発見していますので気が重い所ですが、研磨後の内部の曇りはこの様に見えます↓↓
一言で曇りと言いますが「汚れ」「結露痕」他の現象です。思ったより大きな面積になっていました(特に右ライト)
全体を見ると、、、(見る角度でかなり変わります)
一見大したことが無い様に見えますが、写真は良く見える傾向ですから。。。
重要事項ですのでお客様に御連絡と報告を取らせていただきました。
報告をしたからと言って症状の軽減や解決策はありません。取り敢えず出来る事は報告による以後の心理的ショックの軽減、それ以外は作業を続けるか中止するかのお客様の返答となります。申し訳ありませんが当店からはこの位しか出来ません。
お客様の返答は「続行」という事でお返事を頂きました。反対側のライトも研磨終了して塗装作業へつづきます。
こちらも若干内部の曇りはあります。左右での劣化状況の差が大きくあるのが現状です。
研磨編最後になりますがお客様にお願いが御座います。
ネット情報はいわゆる書きっぱなし、自由となります。書いてあるそれが正しいのか?そうではありません。書いてあったからと鵜呑みさんが大変多いようです。
ネットで情報を拾いすぎる方は注意して下さい。当店でもお見積りにいらしてお話中に、当店の見解を理解されず頭でっかちになっている方が少なくはありません。
ヘッドライトに限らず塗装やコーティングの御説明を致しますが、当店の意見を言っているのではなく理論の常識、正確な知識をお話ししています。例えですが1+1=2で他の答えはありません。それでもネットで拾った理論で他の見解をされている方が多いのが実情です。
この様な場合施工に関して以降トラブルの原因となってしまいます。施工に関してノークレームは勿論の事、施工の御依頼をお断りをする場合も御座いますので御理解と御協力をお願い致します。