また、希少車の御依頼です。シトロエンC4カクタスのボディ全般施工フルコースで御依頼を頂きました。
今回は記事を二回に分けさせていただきました。この記事は(1)研磨編となります。
比較的珍しい車輌、希少性に富む車両など、目利きのあるお客様が良く訪れます。今回もやってきました、お客様は中古で購入されたばかり。ボディ全般に渡り美観復旧、保護の施工を承りました。
車両情報と特徴
独特のフェイスとボディパネルに多用される樹脂パーツ、特にサイドドアに跨るエアバンプ(サイドのウレタン立体パネル)は個性的。
これは、街中で同じ車に出会う確率は低いはず。
数で言えば当時200台が正規販売元の輸入数、その内カラーの割り当てにより全6色の内訳は各色60~50色、赤ソリッドは25台(28台という説も)、一番少ないのは黒Mで15台とか?正規とは一応グループPSAジャパンで本国直営の販社。それ以外の国内流通は並行輸入車となるので数は多いとは言えないが未知数。
情報としては正確とは言えないが(大体話をまとめると)今回御入庫された赤のソリッドカラーは25台位しか輸入されなかったようです。(正確性に乏しいので参考程度に捉えて下さい)
初年度登録2017年、カラーは”KKN”ルージュアデンです。ご存知のようにプジョーと共通色になります。
計測値ですが塗膜量的には国産軽自動車程度と同量。塗膜は総量となり研磨できる範囲等とは異なります。
ルーフに見えるバーは純正オプションのルーフキャリアですね。入庫時に”外してから”のお願いをするのを忘れ、当方で外させていただきました。(通常は可能な限りお客様へお願いしております)
洗浄、下準備
中古車という事ですが、梅雨時期の最中の降雨時の現車確認、そして、中古車納車の何となく(少しでもキレイに)仕上げてみました感。
そんな事から細部から全体を洗浄していきます。
下廻りから、
エンジンルームも洗浄、
基本的に通常のボディ研磨、ボディコーティング時は洗浄は行いません(もしくは軽く整える程度です、状態によりけり、サービス作業範囲等々)
今回はある意味当店の施工コース”プレミアム”をおまかせ的に行う為に洗浄しています。通常ボディコーティングに+αとなります。詳しくは続編(2)を予定しています。
それから、各パネル間の細部や各作業は順番に作業していきます。他の車両ブログで黒ずんだ汚れ、水垢などを洗浄していますが同様に行っています。
そして、塗面の上方向面では浸透していると思われるスケール除去も。
塗り筋みたいのが反応中です。
と言っても全てが簡単に取れるのであれば軽度という訳で、、、
お客様には申し訳ありませんが、以前の使われ方や状態は良くない様です。また、塗面のざらつき感、鉄粉等付着には除去剤単体使用では不可。トラップ粘土の使用となりました。
※一般の方の粘土の使用は通常のお手入れでは使用はお控えください。研磨前提、以後の研磨作業があるからリカバリー可という事です。粘土を使用すれば傷は入りますよ。
当店ではなるべくリスクを減らすように、鉄粉除去剤を原液を使用。原液に自身で考えた比率で何品かをブレンドしています。ある意味オリジナル品となります。通常、メーカーさんが製造上考える事は、リスク軽減、除去性能、安全対策(人的、環境)、等となりますが、市販品ではある程度バランスをとったり、安全性を多くとる事により性能が一定のマイルドに抑え気味ともなるようです。
私の考えでは、除去性能を約15~20%UP、そして、垂直面での使用時に吸着性というか液剤が流れ落ちない様な配分を行っています。リスクを十分考えながら性能を保つ事ですね。また、滑走性というか、ここもポイントです。通常は粘土は使用しませんが、重度の作業時で止むを得ず使用する場合、塗面へのダメージを軽減する為に粘性や滑走性も考えないといけません。
長話になりましたが、一般の方は自分でブレンドするという事はあり得ないかもしれませんので参考程度に捉えて下さい。また、今は粘土よりもリスクが少なく除去性能も劣らない特殊クロスもあります。※安物はダメです、信頼のある商品を使用すべきです。
各種洗浄や除去作業とは色々あるのですが、ここに各写真を載せたら10枚位は簡単に載せられます(それでは、記事が間延びしてしまうのと諄い話の為出来ませんが・・・)
何度も水を流したり、アルコールで中和したり、極めつけは泡沫洗車となります。
洗浄力は勿論の事、スポンジ等による擦れ、傷リスク軽減になります。洗浄力に関してはどの様な洗車なのか?目的別にワンタッチ変更可能、弱酸性シャンプーやリムーバブル表面処理目的なシャンプー、マイルドな中性シャンプーとか。
ボディ研磨
上面は特に状態が良くありません、重度のダメージを受けています。
薄っすらと浸透したシミの輪郭が残ります。研磨量からおそらく限界です、残塗膜量を考慮する事で丁度良い具合で止める事は止むを得ず。
ルーフは特に酷かった、キャリアを付けている位ですから拭き上げづらい、又は拭いていない位の状態です。
次はサイドパネルへ、
サイドはそれなりに状態回復となりますが、何せ樹脂パーツがこれでもか!って位ですから、
この車両の研磨の主役はミニ系のポリッシャーでした。
一部塗装上に難あり、外的原因のミストなのか、一部補修歴からなのか?又は元々の状態が悪いのか?予測はつきましたが、塗装の品質が良いか悪いかと言われれば??ですよ。シトロエンの特性上塗装の質を求めるのは大きな間違いです。稀にですがこの様な車種や自動車メーカーを購入して細かい事を言うお客様がおられます。その様な事は是非、自動車メーカー及び販社へ申し出るようお願い致します(ウチに来て言われても、そんなのは承知しております) そもそも、珍車、外車、旧車、貨物・商用車などで細かい事を気にされている様であれば乗れません(所有できませんね) 当店に来て”後の祭り”を自演されている方も時々おられます。
もう一点、品質(製造品質)の善し悪しに加え、納整品質、販売品質も加わります。ここではどのメーカーは○○、△△、など詳細は申しませんが、各品質の組み合わせにより色々ある事でしょう(実際にあります)車を買ってから、、、ではなく、買う時によく確認、車両を受け取る時には確認必須。後の祭りはクレーマー、もしくは一歩手前となってしまいます。※車両購入時や納車時に全てを確認する事は実質難しい事です、その様な事も重々承知しております。
この、C4カクタスのお客様は全く違います。常識ある方ですし、車両も沢山所有されています。シトロエンのこの顔(フロントの独特のフェイス)はそんなに見ないだろう~と言ったかどうか?(笑)
さて、研磨は一通り進み終了です。先にも述べた様に小さいポリッシャーでチマチマと磨き時間を要していますよ。大きな(径が)ポリッシャーで一気に磨ければ多少時間も短縮できるのですが・・・
次はボディ(塗面)のコーティング、その他施工箇所多数という事で、別記事として続編になります。
そして、記事を二回に分けた別の目的があり、施工商品の御紹介も併せて書かせていただきます。
つづく